Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

7速湿式DSG

車雑誌などによる新型Golfの試乗レポートも出揃いつつあります。紙媒体では1つしか見ていませんが、ネット経由では多数上がっています。総じて、Golf全体としては好評ですが、Golf Rに限ってみれば、「早い」「早いけど重い」「トラック中心か街中中心かという軸が分からず中途半端」という評価が多いように感じます。いずれもVariantではないGolf Rに対する評価がほとんどですので、重いということについては、Variantにはより厳しい評価が下されることになるのでしょう。

あまり取り上げられていないのが、7速湿式DSGの評価です。トラック専用車ではない、あくまでカタログモデル(最近見なくなりましたが、レガシィインプレッサなどには、トラック向けのカタログモデルもありましたね。)ありませんので、ギアをクロースに設定するにしても限度があります。最近ではトルコン式ATの多段化が加速しており、9速、10速といったものも登場しています。DSGに関しては、やはり先代のGolf Rの6速は「それなり」であったこと、せっかくの280馬力を活かすには「それなり」であったことを認めざるを得ません。その中で満を持して投入された7速湿式DSGです。

ACC(アダプティブクルーズコントロール)で100km/hに設定した場合の回転数は7速で1750rpm程度(回転計の表示が1000rpmを4分割する表示ですので、4分の3のところを指しているという趣旨です)。先代Golf Rの場合6速で2400rpmですので、巡航燃費に効果的なのはいわずもがなです。

納車後、5回給油した結果が次表になります。

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「数量」(リットル)は給油量で、全てセルフ式ガソリンスタンドでの満タン法(オートストップではなく、給油口ギリギリまで継ぎ足し継ぎ足ししています。)です。「回数」とは、前回給油後からの利用日数(ただし、給油をした日は2回とカウントしています。)、「日数」とは前回給油からの経過日数です。「燃費」は距離を数量で割った数値(km/L)です。

「燃費計」「走行時間」「平均速度」は、Discover ProおよびActive Info Displayに表示される「前回給油後」の数字を書き取ったもの、「補正」は前述の「燃費計」から計算で出した「燃費」を引いた差です。

自宅周辺の近場だけで終えた日はほとんどなく、また、高速道路を利用していますので、標準的な数値では決してありませんが、先代Golf Rから70kg増加していることを差し引いても、良好な結果に思います。燃費計で13.8km/Lというのは驚異的な数値です。Discover Proの表示では、ほぼ高速道路だけの移動となった場合、「スタート時」の燃費が14km/L台を示すのは当然で、瞬間的に15km/Lに届くこともあります。もちろん踏み込めば下がっていきますが、ACCを使った巡航に徹すると、こういう結果になります。

ワインディングロードでの使い手は、以前投稿しておりますが、2~4速中心、箱根山中のようなところでは5速まで、という感じです。先代では5速に入れるとホントの「巡航」になっていたので、幅が広がったのは歓迎出来ます。

もうちょっとワインディングロードを走りたいなぁと考えていますが、8月の夏季休暇にとっておきたいと思います。

 

 

Active Info Display

今回のフェイスリフトの目玉、「Active Info Display」について取り上げてみます。

端的に言えば、機械式メーターをLEDディスプレイに置き換えたというものです。同じフォルクスワーゲングループのアウディに搭載され、その成果は「実証済み」であることを踏まえ、満を持してグループ主力車であるGolfに投入されたものといえます。機械式メーターに比べれば視認性は劣るのは事実ですが、それがはっきりわかるほどのものではありません。また追従性も相応のものと理解しています。

フォルクスワーゲンにしてみればかなりの「冒険」をしたのかもしれませんが、それはあくまで「堅実」という範囲内の「冒険」に過ぎないように感じます。

例えば表示できる機能は、先代のGolf Rと比較しても、カーナビ画面が表示できるようになったこと、ACC設定時に設定速度と実速度とのギャップが視認できるようになったこと、マルチインフォメーションディスプレイを切り替えないと表示できなかった情報のごく一部が同時に表示できるようになったこと、くらいでしょうか。

これがTSIハイラインならともかく、トップエンドのRにはもうちょっと「冒険」がほしかったところです(もちろんそうすることで、コストアップの要因になるのはわかりますが、プラットフォームやパーツの共有とは異なり、プログラミングの工数の問題ではないかと。)。

例えば、カーナビ画面はDiscover Proの画面に任せて、レクサスに設定されたような、回転計をセンターに、その周りに速度計、連成計などを配した画面(連成計はDiscover Proの画面で表示できます。)が表示できると、よりレーシーな雰囲気を醸し出せると思うのですが、そこはフォルクスワーゲンの「堅実」さが優先されたと思います。加えてRには、4 MOTIONによる前輪・後輪へのトルク配分計がほしいところです。

逆に、タウンユースでは、スピードとカーナビを前面に押し出し、他の情報は小さくするといった工夫もあってよかったと思います。

安全装備

フォルクスワーゲンの特徴として、「Volkswagenオール・イン・セーフティ」と称して、トップモデルからエントリーモデルに至るまで、いわゆる安全装備がオプションではなく標準で用意されることが挙げられます。上級車種に用意されるのは別として、エントリーモデル、同じ車種でも廉価なモデルまでも用意する点は、特筆に値する姿勢です。

私自身、富士重工業(現・スバル)が「アイサイト」を展開し始めた頃、機械に力を借りて車を運転するなんて…と感じていました。もちろん、車自体が機械ですし、その当時もABS(アンチロックブレーキシステム)をはじめとする様々な制御システムの支援を受けて運転をしていました。現に、ABSには雪道を中心にお世話になっているのですが、いわゆる安全装備に対する嫌悪感がありました。レガシィを3台乗り継いだ頃についていたのは、初期のオートクルーズ。単にスピードを維持するだけで、放っておけば前の車に突っ込むだけのこと。ただ、それだけでも、高速道路の運転負荷が軽くなったなという印象は持っていました。

それが、前のGolf Rから様々な安全装備がいきなりてんこ盛りになりました。それに惹かれて購入したわけではなく、最初はやはり懐疑的でしたが、事故防止や疲労軽減にかなり効果があるという実感が徐々に沸いてきました。

一番顕著に効果を感じるのは「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」と「レーンキープ・アシストシステム"Lane Assist"」の2つです。高速道路を巡航する際、ACCをオンにしておけば、極端に言えば放置しておいてもいいくらいです。前の車との車間距離をセンサーで測定して速度を調節し、車線を追従するようステアリング操作も行ってくれます。もちろん、ステアリング操作を放置していると、メーターディスプレイに警告表示が出ます。

この点に関しては、今回のフェイスリフトの問題点だと感じています。先代は、メーターディスプレイの警告表示とともに、警告音が鳴りました。最初はうるさいなぁと感じていましたが、眠気を感じている時には一定の効果があると思われます。(追記あり)Lane Assistのステアリング補助力も控え目になっています。補助機能に徹しようという考えなのかもしれませんが、この点は後退だと考えます。

 

将来の自動運転への布石ともいえるレベル2の運転補助機能。もちろん、レベル3の「オートパイロット」にはまだまだ時間がかかりますが、レベル2としては実用に耐えうる水準に達したと考えますし、何より長時間の疲労軽減に覿面です。

次に目立つ装備としては、今回のフェイスリフトで導入された「ブラインドスポットディテクション」(後方死角検知機能)です。メルセデス・ベンツの上級車種では、この上をいくレベル3(高速道路などでウィンカーを出すと、後方を確認しながら自動で車線変更をする)が導入されていますが、当然ながらレベル2の警告のみです。

車線変更は時々ヒヤッとさせられることがあります。これは言うまでもなく、ルームミラー・サイドミラーから視認できない死角(ブラインドスポット)に車がいる場合です。それを補ってくれるのがこの機能ですが、いかんせん表示が地味です。ドアミラーに小さく車両接近のランプが点るのですが、晴天の昼間の走行では、周囲の風景にこのランプが埋もれてしまって、せっかくの機能も効果が少し薄くなります。他社では、ミラーの枠全体が点滅するといったものもあるようですが、もう少し視認しやすくなればいいなと思います。ただ、ヒヤッとさせられる機会は減るように思います。


安全装備の宣伝活動で、「ぶつからない車」ということが言われますが、残念というか幸いというか、先代のGolf Rも含め、これを実感できた機会はありません。Golf R Variantにも「渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"」と「プリクラッシュブレーキシステム"Front Assist"」とが装備されています。Golf R時代も含め、この機能が「誤動作」したことは何回かあります。視認して制動操作に入っている最中にシステムが介入すること、先方の車が車線変更で私の前に移動してくることをもってシステムが作動したことなど。特に後者は、高速道路走行中にもありましたので、ちょっと怖いなと感じました。ただ、「作動する」ということは確認できました。このまま作動させないよう、安全運転を心がけたいと思います。

このほか、効果的なものとして、「パークディスタンスコントロール」に、今回のフェイスリフトで装備された「リアビューカメラ"Rear Assist"」と「オプティカルパーキングシステム」が挙げられます。1800mmという車幅はそこそこありますので、こういう補助システムは感覚をつかむのに役立ちます。他方、「ドライバー疲労検知システム"Fatigue Detection System"」は、自身の感覚と異なるタイミングで休憩を促してくるので、効果のほどは未知数です(よほど、装備しているレーダー検知器の走行1時間ごとのアナウンスの方が、目安になります。)。

それもこれも、安全運転のためです。機械に頼って運転するなんてと感じていた時から干支一回り以上齢を重ね、若い頃のような研ぎ澄まされた感覚を維持できているとも思っていません。安全支援装備を効果的に使い、感覚をほかの方向に研ぎ澄ませるツールとして、いつまでも楽しく運転したいものです。

追記:Lane Assistの警告音ですが、メッセージ表示の約1秒後に警告音が鳴りますので、訂正します。ただ、このインターバルは以前はなく、メッセージ表示と同時に警告音が鳴りました。また、警告音も少し優しく感じます。この変化が必要なのか、疑問は残ります。

マニュアルと広報誌

インポーターであるフォルクスワーゲン・ジャパンから、フォルクスワーゲン・オーナーズ・パスとともに、「Liberty」という冊子が届きました。前回Golf Rを購入したときはVolume 10。今回はVolume 15ですので、半年に1回程度更新されると思われますが、Volume 11から14までは手元にありません。メーカーやインポーターから届く季刊誌というわけではなく、購入時に配るという整理のようです。道理で、中身に大きな変更は見られません。参考になる情報もあり、前に見たなという情報もあり。それなりに役立つ冊子です。

どちらかというと、普段使わない、しかし時に必要な情報がこの冊子に書かれているので、頭に止めておく必要があります。例えば、リモコンキーで操作できない場合のキーシリンダーでの操作、パーキングライトの点灯方法(以上2点は、過去に使ったことはありませんが)、リモコンキーでのウィンドウ開閉遠隔操作(これは猛暑の季節にこそ必要です。)などは、滅多にしないからこそ、必要な情報です。(加えて、ワイパーの起こし方も書かれているとよかったと思います。私自身は、スキー場によく足を運ぶ関係上、所与のものとして体得してしまいましたが。)

というのも、フォルクスワーゲンだけなのか、輸入車全部がそうなのかわかりませんが、車のマニュアルに辟易としたからです。国産車のマニュアルだって、決してわかりやすいとは思っていませんが、前回、Golf Rを購入した際についてきたマニュアルは、インターネットの翻訳サイトでもこうはならないだろうというくらい、稚拙な日本語のオンパレード。ドイツ語は履修経験がないのでわかりませんが、もし原典が英語ならば、私程度のレベルでも、英語を読んだ方が理解できるのではないかと思う酷さです。さすがにDiscover Proのマニュアルは多少マシでしたが、車自体の操作マニュアルはひどいものです。今回Golf R Variantの車本体のマニュアルはページを開けてもいません。

フォルクスワーゲンをはじめとする輸入車の一本筋の通っているところは、それぞれの操作に慣れれば、車種を乗り換えてもそれほど「コックピット・ドリル」の時間がいらないこと。これが国産車の場合、同じ車種ならそうでもないこともありますが、電子装備だらけの昨今、同じ車種でも「あれなんだっけ?」と往生してしまうこともしばしば。レンタカーに至っては、まずどこに何があるかを確認することで時間をとられます。

最近は、輸入車であっても、電子装備の操作というギミック故、その理屈が通らなくなっていることも増えましたが、フォルクスワーゲンに関しては、今回のフェイスリフト後も、それほど困惑はしません。Discover ProやCar-Netについては習熟に時間がかかりましたし、自分向けのカスタマイズにも相当時間をかけましたが、それ以外の点ではぱっと乗り移れました(現に、ディーラーでGolf R Variantを受け取り、給油のため乗り出してみても、Discover Proを除き、スムーズに移行しました。)。DCCの操作スイッチが左ハンドル向け、すなわち右ハンドル車の運転席から見て、シフトレバーのブラインドサイドにあることも含め、その点は頑なです(苦笑)。

これからはいよいよ盛夏のレジャーシーズン。渋滞だけは御免蒙りたいですが、山へ海辺へと、Golf R Variantで繰り出したいものです。

1ヵ月点検

納車から1ヵ月と1日。1,523kmで1ヵ月点検に入庫しました。

ディーラーで待っていると、見た記憶のあるGolf Rが店頭に駐まっていました。認定中古車として売り出さされているのは1ヵ月と1日前まで私が乗っていたGolf Rでした。スキー板を倒してしまったときにつけた細かい傷の位置が同じ。1ヵ月と1日ぶりの対面です。値札は、当然下取り価格より高いものです。商売ですから当然です。「売上高売上総利益率」でいうと9%。中古車としての利鞘が十分なのかどうかは分かりませんが、納得して引き取っていただいたし、ディーラーサイドも納得して(新車を売りたいということも含めて)引き取ったと思うので、早くセカンドライフの相手を見つけてもらいたいものです。

以前も書いたかも知れませんが、定期点検について日本車と違う点は、

  1. 点検サイクルは1ヵ月点検の後は、1年に1回。(日本車は半年に1回)
  2. 1ヵ月点検でオイル交換はしない。年1回のみで、エンジンオイルが減ったら(自分で)補充する。

の2つだと感じます。フォルクスワーゲンの場合、自社ブランドの純正オイルに、API(米国石油協会)のエンジンオイル規格に加え、フォルクスワーゲン独自の規格を設けています。このため、カー用品店で売られている有名なエンジンオイルを使うことは推奨されないことになります。フォルクスワーゲンの独自規格は不明ですが、ロングライフな設定にしているようで、半年ごと(や3,000~5,000kmごと)にオイル交換することを求めていません。

基本はコンピュータを接続してチェックをしつつ、オイルやクーラント、空気圧などといった目視・触診が必要な箇所を確認していく、という行程だと思われます。結果は当然ながら異常なし。洗車込みで1時間を少し超えるくらいの待ち時間です。次の点検は11ヵ月後となります。

1ヵ月と1日経って気になるのは、運転席のフットレスト付近の化粧板が「びびる」ことです。サービススタッフにこの点を聞いてみると、Rに加え、ALL TRACKやGTIでも同じような症状が出ているようですが、インポーターやメーカーから具体的な指示が出ている状況ではないようです。表面的な緩みが見られるわけではなく、確認するなら時間を取って内張をとって確認するしかないとのことなので、今回はそのまま放置することにしました。

昨日・今日と関東地方は真夏の暑さとなりました。ヘタレを見せることなく、車とともに夏を乗り切りたいと思います。

ナイトラン

納車され昨日でちょうど1ヵ月。オドメーターは1,500kmを超えました。本日、1ヵ月点検に入庫する予定です。

昨日は初めて夜間走行となりました。新装備のLEDヘッドライトの感想です。夜間走行といっても都市部なので、街灯や行き交う車の光が溢れている中に過ぎません。

しかしながら、新装備のLEDヘッドライトは明るいというのが印象です。車を乗り換えるたびに、アシストランプが欲しいなぁと思っていました。昔WRCを席巻した三菱・ギャランVR-4に標準装備されていた2灯式アシストランプ(ドライビングランプとフォグランプが2連)にあこがれた時期もありました。何とかして夜間走行を快適にと思ってきましたが、車検との関係もあってなかなか手が出せませんでした。先代、そして現行のGolf Rも、GTIにはあるアシストランプがありませんし、今流行のデイライトランプもなし(アフターパーツが出ているようですが)。

1ケタ国道と首都高速中心の走りですが、これまで乗ってきた車にはない明るさです(もちろん、規則の範囲内でしょうが)。白みの強い光線ですが、クリアに照らしてきます。

ステアリングの動きに応じて照射する「ダイナミックコーナリングライト」、低速時に効果を発揮する「スタティックコーナリングライト」、60km/h以上で光の照射角度を調整する「ダイナミックライトアシスト」は効能を確認するまでには至りませんでしたが、夜間走行への不安はかなり解消されると感じました。

 

追記 ナイトランで書き忘れましたが、新装備の「ブラインドスポットディテイクション」は夜間だと警告表示が非常に見やすくなります。逆に、日中は左右のミラーに警告灯がポチッと点くだけなので、明るい周囲の景色と溶け込んでしまい、見づらいのが気になります。他社では点滅するといった工夫をしているようですが、あくまで補助装備であることを念じて活用したいと思います。

ワインディングロード走行

 慣らし運転を終え、Golf R Variantをワインディングロードに連れ出しました。コースはお決まりの国道413号線道志みち)から通阪トンネルを抜ける県道24号線、都留市街から山中湖に抜け、三国峠を抜ける県道730号~県道147号線で静岡県小山町に抜けるルートです。

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 最新号(2017年8月号)のCar Graphicでは、4ページを割いて新型Golfの記事を組んでいました。スポーツモデルについて、GTIには賞賛を送る一方、R(ハッチバック)には「重い印象」「パワーにシャシーがついていっていない」との厳しい言葉がありました。ただ「飛躍的進歩は感じられないが、もともと完成度が高かった」というのは、最大の賛辞であると感じました。

  ほとんどの場面で先行車がいましたので、スピードは常識の範囲内。エンジンもさることながら、操舵感などを確認する走りとなります。専門家ではないので、細かい車の挙動などが分かるわけもありませんが、このCar Graphicの記事を読んで乗ると納得した次第です。

 エンジンは何の不満もありません。7速DSGでは3速、4速を中心に、タイトコーナーで2速を用いるということになりますが、窮屈な印象もありませんし、ギア選択を誤っても、あまりあるトルクとパワーで、公道であればごまかしが利きます。小雨で路面が濡れている状況ですが、グリップ感に申し分なし。やれアンダーステアだ何だということは分かりませんが、ステアリングの操作に応じて、各種デバイスが適確に反応し、狙った方向に頭を向けていきます。常識の範囲内でコントロールを失うことはもちろんありません。

 先代Golf Rの末期から感じていた(特にタイトコーナーでの)ロールの大きさは、新車のGolf R Variantで解消することはありませんでした。おそらくそのほとんどが「バネ上」であろう70kg増がそのままロール増につながっている印象で、タイトコーナーの振り回され感はやっぱり「重たいなぁ」という言葉につながります。しかし、ハイスピードコーナーではしっかり踏ん張ってくれて、姿勢を維持するのはさすがです。

 DCCをレースモード(ただしギアは「S」モードではなく「D」モード)に切り替え、マニュアルモードでパドルシフトで操作しますが、レースモードにすることでステアリングが重くなります(これは先代比より重くなりました)。これにはいい面と悪い面があるように感じました。実際、しっかり操作する必要があるという観点から、ステアリングが重くなるのは当然ですが、重くなりすぎることで車重をより感じてしまう気もします。

 困ったのが警告。「エコアドバイス」をオンにしていますが、エアコンをつけたままちょっと窓を開けると「窓が開いています」(駐車料金の精算のため、窓を開ける程度でも表示されます)。DCTをマニュアルモードにしていると「Dポジションにしてください」。三国峠を越える時には数メートル先しか見えないような濃霧でペースダウンし、リアフォグランプを点灯したのですが、しばらくすると警告音とともに「リアフォグランプを消してください」。普段はAUTOに設定しているヘッドライトが点かないくらい明るい状況だったので、手動でライトオンしたのですが、この警告には辟易です(エコアドバイスを切ればいいといえばそれまでですが)。他方、先代Golf RではうるさいくらいだったLane Assist中にハンドル操作を行わない場合の警告。先代は警告音が鳴り、「ハンドルを操作してください!」とディスプレイに出ますが、当代は表示だけ。ハンドルを操作しないということは、居眠りをしている可能性もあるわけで、この警告音カットは不可解です。

(もっとも、Lane Assistによる車線追従機能は、先代からちょっと精度が下がっているように感じます。先代はきちんと車線の幅を認識して追従し、ハンドル操作もしていましたが、当代は車線の幅をいっぱいいっぱい使っているような印象を受けます。ハンドル操作も控え目なようで、少し頼りなく感じました。)

 いろいろと見えてきたGolf R Variant。まもなく1ヵ月点検です。