Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

ちぐはぐ~Discover Proのダウングレード

夏季休暇で北関東・東北を回ってきました。那須で1泊した後、現在開催中の「Reborn-Art Festival」へ。展示会場が石巻市街地と牡鹿半島に分かれていることもあり、初日は午後半日かけて牡鹿半島エリアを、2日目は昼過ぎまで車を石巻市内において徒歩で石巻市街地を、それぞれ鑑賞しました。Art、Food、Musicのコラボレーションが「売り」なのですが、Foodは運悪くヒットせず、Musicはどうしても開催が石巻市街地で夜となってしまうので、牡鹿半島に夕食付きで宿を取ってしまった関係上、これも断念。Art中心で楽しみました。

石巻、女川、福島浜通りを回って、4日間で1,200kmを踏破しました。最終日にノーズを自宅に向ける途中で4,000kmを突破。

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その後、牡鹿半島から自宅まで、460kmを7時間半ほどで走りきりました。

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震災から7年目に入りましたが、まだまだ復興半ば。石巻市街地では、津波の被害から道路を引き直すところから始まったようで、カーナビ(Golfのカーナビは更新が遅いということを差し引いても)のマップと実際の道路が異なる箇所も散見されました。復興ならぬ「復幸」になるよう、ささやかながら何か手伝いができたらと思います。

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石巻、女川は私にとって未踏の地です(福島浜通りもそれに近いですが)。ここはカーナビと新しい「Car-Net」の腕の見せ所です。指定された駐車場の住所がパンフレットに書いてあるので、これはカーナビで住所を入れれば済むな…と考えていたのですが、Discover Proは、住所での検索ができなくなっています。ランドマーク、電話番号、マップコードによる検索と、周辺検索しかできません。これは明らかなダウングレードです。

それならばとCar-Netでネット検索をしておいてWLANでつなげばいいと思ったのですが、データを取り込み、一旦Discover Proに保存してしまうと、ランドマーク名ではなく「○○市○○町付近」とだけ表示されてしまいます。テザリングでつないだまま、Car-Netでオンライン目的地を選択すれば、ランドマーク名が表示されるのですが、ネットを切り離してしまうとこんな感じ。ちょっと不便すぎます。

先代Discover Proでの住所検索も、簡単ではなかったように思いますが、住所検索機能はありました。個人宅を訪ねるときなどは有用(電話番号では検索出来ません)なのですが、このダウングレードはじわっと効いてきます。そんなことが露呈した旅でした。

BLUEMOTION Technology

 このブログは、筆者のSNSアカウントとは切り離して書いています。画像検索などすれば、筆者を特定することは可能でしょうが、SNSに「ブログ更新しました」とは出していません。

 こちらでは、SNS以上に独りよがりで、好き勝手なことを、大して辛口でもなく書いています。そんなこのブログも、1日あたりの閲覧数がコンスタントに50を超えるようになってきました。検索エンジン経由でたどり着くのだと思いますが、何も参考にならないであろう、駄文を読んでいただいた皆様に感謝です。

 さて、今や車も環境に配慮しなければ生きられない時代です。英仏では2040年までに内燃機関による車を全廃するというムーブメント。約20年後、今のルールでは、筆者もリタイアしているはずですが、年金や何やらでまだ働いているかもしれないその頃、自動車はどうなっているのでしょうか。また、私はそのハンドルを握っているのでしょうか。そして、水素の時代が本当に来るのでしょうか。

 そんな書き出しにしてみたのは、Golf R VariantのBLUEMOTION Technologyについて言及するためです。BLUEMOTION Technologyを平たく言うと、アイドリングストップ(「Start/Stopシステム」)と、ブレーキ時に発生する減速エネルギーをバッテリーに充電する「ブレーキエネルギー回生システム」です(他車種では気筒停止といったものもありますが。)。
 ブレーキエネルギー回生システムについては、トヨタ系のハイブリッド車に特有の「ひゅーん」という音が出るわけではなく、また、回生の効果を具体的に示す表示もありません。以前、ホンダのインサイトに乗っていたときは、メーターにIMA(Integrated Motor Assist)の効果を示すバッテリーメータなどが表示され、遊び感覚で楽しめましたし、トヨタ・プリウスなどでは、それがより明確に示され、バッテリーのみで走行することも可能です。Golf Rでは、そこまでのギミックは搭載していません。
 他方、Start/Stopシステムについては、積極的にエンジンのアイドリングを止めることにより、燃料消費を抑える効果があります。それはある程度事実でしょう。新型Golf Rになってから、よりエンジンを止める頻度が増えたように思います。冷夏多雨の兆しがあった東京の今月であっても、涼しいとまで言える日はそうそうありません。車の中はそれなりに高温になりますが、それでも積極的にエンジンを止めてきます(クーラーも止まりますが、送風だけはバッテリーで弱々しく続きます。)。

 実際のエネルギー効率として、何秒アイドリングストップすれば、アイドリングしたままであるより、エンジン再起動時に(余計にかかるかもしれない)燃料と釣り合うのかは分かりません。ただ、より積極的にエンジンを止めにいくようになったのは、先代Golf Rとの大きな違いです。先代の場合は、車が完全に停止してからエンジンのカットオフが起きましたが、新型では完全に車が停止する前にカットオフが起きることもあります。このあたりは明確にコンピュータのセッティングを変えてきたことが看守されます。

 エンジン再始動のマナーは、かなりよくなりました。DCCのセッティングに、エンジン音の選択肢が増え、エコ・コンフォートモードでは排気音が多少静かになります。ある程度の振動はやむを得ませんが、先代Golf Rよりお行儀よくなりました。
 ただ、ホンダ・インサイトで初めてアイドリング・ストップに接し、レンタカーでいくつか経験を重ね、先代Golf Rで慣れてきた私にとって、新型Golf Rの積極的なアイドリング・ストップには、まだ慣れませんし、それまで培ってきたリズムとは異なる動きについていけていません。

 燃料を無駄遣いしないということはもちろん正しいことです。将来、内燃機関を持つ自動車がなくなっても、何かのエネルギーを駆動輪に伝えて動かすことが「自動車」の定義でしょうから、その「何か」のエネルギーが、完全にカーボンフリーのもの(現時点では太陽光・水力・風力・波力・地熱による発電に限られますし、今はおそらく、消費者が自ら発電しない限り、それらから好みのものを選択することはできません。)でない限り、どこかに無駄遣いが生じるわけで、それを節約するというもの正しいことです。

 一方で、そのエネルギーを使って自動車を操る楽しみは、人による運転を禁止しない限り、なくならないと思います。そこには自動車とそれを操る人とのハーモニーがあります。実は、車との相性って、それが一番大切ではないかと思います。運転して苦痛な車には乗りたくないものです。

 Golf R Variantは、多くの人を受け入れる「度量」を持っている車だと感じていますが、まだ私とフィットしていない数少ないポイントが、このStart/Stopシステムであると感じる次第です。

オーディオシステム

東京地区は8月に入って連日雨降りです。洗車に出そうと思っていますが、雨が降ると思うと、洗車に出すのも躊躇われ、しばらく洗車しない日が続いています。暑い夏は身体に堪えるものの、夏暑く冬寒いのが日本の気候。地元の花火大会も荒天で相次いで中止になりました。多雨冷夏の兆候が気になる今日この頃です。

Golf Rには、8スピーカーのオーディオシステムが標準搭載されています。高級メーカーの名前を奢ったものではありませんが、オーディオについて語る資格もない私にとって、音質は必要十分なものです。

オーディオシステムは、SDカード(2スロットあり)、Bluetooth接続機器、CD、DVD、CDなどから取り込んだHDD(ジュークボックスと称しています)、iPodなどの有線外部接続機器を音源とすることができます。

私自身は、先代Golf Rから、SDカードでの運用をメインにしています。自宅でCDから取り込んだMP3音源を、ヘッドフォンステレオ、家のステレオ、SDカード経由でGolf R Variantに振り分けています。(話題から逸れますが、ダウンロード音源にはほとんど手を出していませんし、AWAやSporifyといった定額ダウンロードサービスも使っていません。CDを買うことがアーチストに対する敬意と考えている古い人間です。)

ホンダ・インサイトに乗っていたときは、純正オーディオ+ナビに3G携帯電話回線がついていたこともあり、CDを自宅から持ち出し、HDDに落として聴いていました。3G回線経由でGracenoteに接続し、取り込んだCDのタイトルや曲名を拾ってくれるので、そのようにしていました。

Golf R VariantもWLAN経由でインターネット接続ができるようになり、Gracenoteを使うことができますが、CDから取り込む段階でインターネット接続をしておく必要があるようです(取り込んだあとにGracenoteに接続しても、曲名を取り込んでくれません)。

また一つ「アラ」が見えてきました。

CD(LPもそうですが)には、昔のディスコ・ノンストップ・ミックスのような、トラックマークは入れながら、曲間をつなげる作品があります。最近は日本語のラップがはやっていることもあり、そのような作品もでています(DJプレイの真骨頂ですね)。最近買った「MUSIC JOURNEY #1/#2 Mix by DJ JIN」は曲間をつなぐ作品です。これをSDカードに取り込んで再生してみると、曲間に瞬間無音になります。私自身のライブラリには決して多くないのですが、先だっての高速道路VICS割り込み同様、ちょっと興醒めしてしまいます。試しにジュークボックス(HDD)に落としてみたらどうかと試みましたが、結果は同じでした。

CDをそのまま再生した場合どうなるかは確認出来ていませんが、いちいちCDを車に持ってくるのも面倒ですし、残念です。

3,000km到達と、見えてきた「アラ」

スマートフォンを買い換えました。XperiaからXperiaへの乗り換えでしたが、初めてDiscover Proに接続するときよりもスムーズにできたと思います。Bluetooth接続すると、すぐにMedia Controlが起動してしまうのですが、これはスマホ側の問題。いずれ解決したいと思います。

さて、納車から2ヵ月と1週間で3,000kmを突破しました。

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かなり速いペースだと思いますし、夏季休暇は今月下旬に東北に車で向かう予定なので、さらに大台に乗せるかも知れません。ガソリン代請求が気になるところですが、乗って楽しい車です。

以前に、VICS/ETC2.0情報の割り込みについて書きました。一般道での音声通知の抑止はできるようになりましたが、高速道路での抑止はできないような設定になっているようです。いろいろとあちこち触っているのですが、どうも無理のようです。

音楽などはSDカードに落としたものを聴いています。VICS/ETC2.0情報の割り込み時には、SDカードの再生は一時停止になるので、結果として大きな問題はありません(CDやDVDでも同じかどうかは検証していません)が、問題はラジオです。嫌がらせのように、面白いところやキーワードの部分に割り込み音声が流れてきて、興醒めです。Discover Proの操作のためにディスプレイを凝視させようとしているのに、VICS/ETC2.0情報はディスプレイではダメで、音声を出すというのは、どうも発想に一貫性がない気がします。

これも以前に書きましたが、Discover Proのナビ縮尺ダイヤルを廃止したのは、大失敗と声を大にして申し上げたいです。今日はナビを頼りに海を見に行こうと思ったのですが(結局雨で断念しました)、縮尺をタッチパネル操作でやるのは無理があります。凝視しながらスマホを操作するのとは訳が違います。縮尺表示をタッチして、プラス・マイナスの部分をタッチしながら徐々に縮尺を伸び縮みさせていきたいところ、思ったような操作は出来ません。

こういった「アラ」を飲み込めるかどうかが、長期的なファンを創れるかどうかの、ちょっとした分かれ道のような気がいたします。

内装(その3)

今までは運動性能、フェイスリフトで変わった点などに触れてきました、それ以外、特に非エレキ系のことを書きます。
内装は先代Golf Rと同じです。カーボン調デコラティブパネルに、シンボルカラーのブルーのインテリアアンビエントライト。先代から変わったところといえば、レザーシートにメモリー機能(運転席のみ)がついたことと、背中からお尻のあたりの部分がパンチングレザーに意匠変更。防眩機能つきルームミラーのスイッチとセンサーが消えたこと(防眩機能つきミラーとカタログにありますので、機能自体はあるのだと思いますが…)くらい。それ以外に眼を惹く変更はありません。
このシート、シンプルでありながら、ホールド性も高く、なおかつ長時間乗っても疲れない優れものです。ランバーサポートもありますが、私の場合は、腰を痛めないよう、シートと背と尻の三角形の部分にもう何年使っているか分からない三角形のクッションをあてがっています。これがあるとないとでは大きく違います(レンタカーを借りるとすぐ分かります。)。
前のエントリで、コックピットはドライバー・オリエンテッドにするべきだと申し上げましたが、収納関係に関してはほぼ満点ですし、位置も変わりありません。オーバーヘッド・コンパートメント、シフトノブ前、シフトノブ後ろのドリンクホルダー、センターコンソール、グローブボックス、ドアポケット兼ドリンクホルダー、運転席膝上のボックス、助手席下のシートアンダートレーなど。大概のものは運転席周りに収納できます。センターコンソール前のドリンクホルダーのバネが強力で、ペットボトルや紙のコーヒーカップを取り出すのには、ちょっと気を回してやらないと、社内に液体をぶちまけてしまう可能性があることまで一緒です。

自身が後部座席に座ることはありませんが、狭くもなく広すぎず、シートの固さも適切です。定員5名での遠出は厳しいと思いますが、4名であれば苦情も出ないと思います。

Variantはワゴンですから、荷室は巨大です。過去にもワゴンを乗り継いできた経験がありますが、大差はありません。冬に真価を発揮すると思いますので、それまでは無用の長物になりかねませんが、平時でもちょっとした大物を放り込む分には十分です。四輪駆動なのでタイヤハウスの干渉は見られますが、トランクトレーの下にスペアタイヤがあり、非常停止盤などを入れておけるスペースはありますし、リアゲートのすぐ脇に小物を入れるくぼみがあり、車止め程度は入れられます。ただ、トランクトレーの高さ=リアバンパーの高さですが、そこそこあるように感じます。

保守的なフォルクスワーゲンですから、設定は絶対ないなと思いますが、キーレスエントリーのスイッチで、全部のウィンドウを開閉出来る操作ができるのならば、リアゲートの自動オープン機能を備えて欲しかったなと思います。もちろん、リアのエンブレムを開けば、フロントドアと同様、ドアロックが解除されるまではできるのですが、荷物を抱えて、バンパーの下あたりに足をかざすと、すっとリアゲートが上がる、というのは優しい装備として取り入れてほしいものです。

ワインディングロード・ラン

今日は早朝からワインディングロード・ランに出かけました。最初は秩父から雁坂峠に抜けるつもりで圏央道に向かいましたが、何をとち狂ったか、青梅ICで降りたら秩父に向かえると勘違い。当然秩父に行けるはずはなく、青梅から小河内ダムに向かい、その後大月に抜けて道志みちを走るルートになりました。

都留から道志みちに抜ける道はツイスティですが、青梅から大月に抜けるまでは気持ちいいワインディングロードで、かつ、折からのレインコンディション。雪道ほどの低μ路ではありませんが、4 MOTIONを楽しめる絶好の機会です。

とはいえ、4 MOTIONに電子装備満載のGolf R Variant、私の能力では所詮はオンザレールです。四輪駆動ですからテールスライドになるわけもなく、ドリフトするようなドライビングは一般道では危険です。DCCをレースモードに切り替えると、安定度はぐっと増し、引き締まった足回りとなります。ステアリングは重くなりますが、四輪駆動にありがちな回頭性の低さはそれほどでもありません。狙った方向にきちんと頭を向けます。スローイン・ファストアウトを忠実に、コーナー前に減速し、エイペックスからアクセルを開けると、四輪のタイヤが舗装をしっかり掴んで、すぱっとコーナーを出て行きます。レインコンディションでは、「スローイン」が大切。四輪駆動は、ブレーキングに何にも役に立ちません。ABSという補助装置はありますが、適確なブレーキングはワインディングロード・ランには不可欠です。

DCCには「ノーマル」「エコ」「コンフォート」「レース」の4つのプリセットに、「カスタム」というそれぞれの要素を自由に変更出来るモードがあります。しかしながら、フェイスリフトに伴い、「カスタム」で変更出来る要素が少し減らされたように思います。以前は、「レースーDCTをノーマルモード(レースではDCTはスポーツモード)」というセッティングにしていましたが、現在は最適なセッティングが見つけられず、「カスタム」モードは使っていません。レースモードに切り替え、DCTを手動でS(スポーツ)からD(ノーマル)に変更して、実際はパドルシフトによるシフトチェンジと、時折オートマティックに切り替えながら走る格好になります。

スポーツメーターをDiscover Proに表示して、過給圧と出力を確認しますが、最高出力310馬力(228Kw)のうち、一般道で使えるのはせいぜい100Kw。しかしこれで十分です。快適なドライビングには余裕が大切。ギアを1つ2つ落としてアクセルを踏み込めば、ロールの許す範囲で切れ味鋭くコーナーをスピードを上げて抜けていきます。

やはりネックとなるのは70kg増加した重量。ロールは先代Golf Rの初期のような最小限とはいきません。ロールを覚悟しながらの走りとなります。ワインディングロードを快適に抜けていくには、FFでも軽いGTIもそれなりに面白いだろうなと感じます。ただ、四輪駆動ならではのワインディングロード・ランは、重量増でも決して楽しみをスポイルされていないと感じました。

Discover Pro

今回のフェイスリフトで、Discover Proの画面が大きくなり、ジェスチャー操作ができるようになったことは一つの「売り」です。しかしながら、私自身はあまり評価していません。

Discover Proの画面は大きくなりましたが、それはもともと両サイドに配置されていたボタンを廃し、タッチパネルに切り替えたことによるものです。ボリュームはステアリングに配置されたコントローラーを操作すれば調整出来ますが、ナビの縮尺、メディアの切り替え、交通情報の呼出しなどは、目視せずにノブを回したり、ボタンを押せば済みましたが、これができなくなりました(もとより、ナビの縮尺はスマホと同様に、タッチ操作でできますが)。

メルセデスベンツBMWアウディにはセンターコンソールにダイヤルが装備されています。導入初期に、車雑誌ではずいぶんと酷評されたのを記憶しています。実際に操ったことはありませんが、このダイヤルの存在が、直感的な操作を可能にしているように思うところ、フォルクスワーゲンにはこのダイヤルがありません。結果、スマホと同様に、タッチパネルの操作になりますが、走行中に操作することは安全とは言えません。

確かに画面は大きくなって見やすくなりましたが、操作性に関していえば、却って悪化したのではないかと感じます。先代のGolf Rに装備されていたDiscover Proのタッチパネル操作も敏感すぎて、画面を凝視しないとできないのが実態でした。

以前も書きましたが、ジェスチャー操作がメルセデスベンツなどのダイヤルに取って代わればいいのですが、洗練度は低いといわざるを得ませんし、何よりジェスチャー操作をする機会がないのです。目視せずに「MENU」ボタンをタッチし、画面が表れても、切り替えられるのは2画面。1画面に8つボタンがありますから、その確認はやはり目視です。

Web CGに掲載されたGolf R Variantのレビューにおいて、ターゲットが共働き家族と書かれていますが、仮にそうであっても、助手席に誰かが座っているとは限りません(実際このレビューでもそう、想定されていて、助手席に誰か座る=夫婦で出かけるのは休日、とあります。)。助手席に誰かが座ってDiscover Proを操作することは、スマホと同様であり、知らない人でも直感的にできることはいいことかも知れませんが、あくまでドライバーズカーであるGolf R Variantでは、ドライバー・オリエンテッドなコックピットに仕立てて欲しいと痛感したのが、このDiscover Proです。

また、いわゆる純正ナビは、やはり市販のナビには勝てません。他方、純正ならではの一体性(走行データなどを表示出来ること)は純正に一理あります。当然ながら、どこかのカーナビメーカーのOEMとして出荷されているはずですが、マップ自体の表示にも難があります(アップデートが遅いうという問題は、論外として横に置きます)。

車を走らせるときには、それなりのランドマークを目印にして走るものです。それは駅だったり、学校だったり、商業施設だったり、工場だったり。Discover Proのナビでは、そういったものは基本的に表示されません。表示されるのは交差点名と住所(大字・小字)だけ。表示設定を変えることで、駅、ガソリンスタンド、コンビニ、ファミレス、ファストフードなどがアイコンで表示される程度です。

都会の中で走る分にはアイコンで補う程度で済みますが、山村に入り込むと、まずアイコンで表示されるようなものが減ります。GPSによる場所の捕捉は確かですが、縮尺を小さくしていると、道路と山しか表示されないなんて光景もままあります。もちろん、携帯電話・スマホとつなげば、Google Mapを表示することも可能ですが、「パケ死」することは避けたいところ。Google Mapでいいのならば、最初からスマホをナビに据えればいいわけです。

フェイスリフトの目玉であるインテリア強化。進歩が見られるのは事実です。今回のお題から外れますが、安全装備については相当の進歩が見られます。しかし、それこそ手放しで賛辞を送ることのできるものではないことは、知っていただければと思います。