Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

BLUEMOTION Technology

 このブログは、筆者のSNSアカウントとは切り離して書いています。画像検索などすれば、筆者を特定することは可能でしょうが、SNSに「ブログ更新しました」とは出していません。

 こちらでは、SNS以上に独りよがりで、好き勝手なことを、大して辛口でもなく書いています。そんなこのブログも、1日あたりの閲覧数がコンスタントに50を超えるようになってきました。検索エンジン経由でたどり着くのだと思いますが、何も参考にならないであろう、駄文を読んでいただいた皆様に感謝です。

 さて、今や車も環境に配慮しなければ生きられない時代です。英仏では2040年までに内燃機関による車を全廃するというムーブメント。約20年後、今のルールでは、筆者もリタイアしているはずですが、年金や何やらでまだ働いているかもしれないその頃、自動車はどうなっているのでしょうか。また、私はそのハンドルを握っているのでしょうか。そして、水素の時代が本当に来るのでしょうか。

 そんな書き出しにしてみたのは、Golf R VariantのBLUEMOTION Technologyについて言及するためです。BLUEMOTION Technologyを平たく言うと、アイドリングストップ(「Start/Stopシステム」)と、ブレーキ時に発生する減速エネルギーをバッテリーに充電する「ブレーキエネルギー回生システム」です(他車種では気筒停止といったものもありますが。)。
 ブレーキエネルギー回生システムについては、トヨタ系のハイブリッド車に特有の「ひゅーん」という音が出るわけではなく、また、回生の効果を具体的に示す表示もありません。以前、ホンダのインサイトに乗っていたときは、メーターにIMA(Integrated Motor Assist)の効果を示すバッテリーメータなどが表示され、遊び感覚で楽しめましたし、トヨタ・プリウスなどでは、それがより明確に示され、バッテリーのみで走行することも可能です。Golf Rでは、そこまでのギミックは搭載していません。
 他方、Start/Stopシステムについては、積極的にエンジンのアイドリングを止めることにより、燃料消費を抑える効果があります。それはある程度事実でしょう。新型Golf Rになってから、よりエンジンを止める頻度が増えたように思います。冷夏多雨の兆しがあった東京の今月であっても、涼しいとまで言える日はそうそうありません。車の中はそれなりに高温になりますが、それでも積極的にエンジンを止めてきます(クーラーも止まりますが、送風だけはバッテリーで弱々しく続きます。)。

 実際のエネルギー効率として、何秒アイドリングストップすれば、アイドリングしたままであるより、エンジン再起動時に(余計にかかるかもしれない)燃料と釣り合うのかは分かりません。ただ、より積極的にエンジンを止めにいくようになったのは、先代Golf Rとの大きな違いです。先代の場合は、車が完全に停止してからエンジンのカットオフが起きましたが、新型では完全に車が停止する前にカットオフが起きることもあります。このあたりは明確にコンピュータのセッティングを変えてきたことが看守されます。

 エンジン再始動のマナーは、かなりよくなりました。DCCのセッティングに、エンジン音の選択肢が増え、エコ・コンフォートモードでは排気音が多少静かになります。ある程度の振動はやむを得ませんが、先代Golf Rよりお行儀よくなりました。
 ただ、ホンダ・インサイトで初めてアイドリング・ストップに接し、レンタカーでいくつか経験を重ね、先代Golf Rで慣れてきた私にとって、新型Golf Rの積極的なアイドリング・ストップには、まだ慣れませんし、それまで培ってきたリズムとは異なる動きについていけていません。

 燃料を無駄遣いしないということはもちろん正しいことです。将来、内燃機関を持つ自動車がなくなっても、何かのエネルギーを駆動輪に伝えて動かすことが「自動車」の定義でしょうから、その「何か」のエネルギーが、完全にカーボンフリーのもの(現時点では太陽光・水力・風力・波力・地熱による発電に限られますし、今はおそらく、消費者が自ら発電しない限り、それらから好みのものを選択することはできません。)でない限り、どこかに無駄遣いが生じるわけで、それを節約するというもの正しいことです。

 一方で、そのエネルギーを使って自動車を操る楽しみは、人による運転を禁止しない限り、なくならないと思います。そこには自動車とそれを操る人とのハーモニーがあります。実は、車との相性って、それが一番大切ではないかと思います。運転して苦痛な車には乗りたくないものです。

 Golf R Variantは、多くの人を受け入れる「度量」を持っている車だと感じていますが、まだ私とフィットしていない数少ないポイントが、このStart/Stopシステムであると感じる次第です。