Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

安全装備

フォルクスワーゲンの特徴として、「Volkswagenオール・イン・セーフティ」と称して、トップモデルからエントリーモデルに至るまで、いわゆる安全装備がオプションではなく標準で用意されることが挙げられます。上級車種に用意されるのは別として、エントリーモデル、同じ車種でも廉価なモデルまでも用意する点は、特筆に値する姿勢です。

私自身、富士重工業(現・スバル)が「アイサイト」を展開し始めた頃、機械に力を借りて車を運転するなんて…と感じていました。もちろん、車自体が機械ですし、その当時もABS(アンチロックブレーキシステム)をはじめとする様々な制御システムの支援を受けて運転をしていました。現に、ABSには雪道を中心にお世話になっているのですが、いわゆる安全装備に対する嫌悪感がありました。レガシィを3台乗り継いだ頃についていたのは、初期のオートクルーズ。単にスピードを維持するだけで、放っておけば前の車に突っ込むだけのこと。ただ、それだけでも、高速道路の運転負荷が軽くなったなという印象は持っていました。

それが、前のGolf Rから様々な安全装備がいきなりてんこ盛りになりました。それに惹かれて購入したわけではなく、最初はやはり懐疑的でしたが、事故防止や疲労軽減にかなり効果があるという実感が徐々に沸いてきました。

一番顕著に効果を感じるのは「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」と「レーンキープ・アシストシステム"Lane Assist"」の2つです。高速道路を巡航する際、ACCをオンにしておけば、極端に言えば放置しておいてもいいくらいです。前の車との車間距離をセンサーで測定して速度を調節し、車線を追従するようステアリング操作も行ってくれます。もちろん、ステアリング操作を放置していると、メーターディスプレイに警告表示が出ます。

この点に関しては、今回のフェイスリフトの問題点だと感じています。先代は、メーターディスプレイの警告表示とともに、警告音が鳴りました。最初はうるさいなぁと感じていましたが、眠気を感じている時には一定の効果があると思われます。(追記あり)Lane Assistのステアリング補助力も控え目になっています。補助機能に徹しようという考えなのかもしれませんが、この点は後退だと考えます。

 

将来の自動運転への布石ともいえるレベル2の運転補助機能。もちろん、レベル3の「オートパイロット」にはまだまだ時間がかかりますが、レベル2としては実用に耐えうる水準に達したと考えますし、何より長時間の疲労軽減に覿面です。

次に目立つ装備としては、今回のフェイスリフトで導入された「ブラインドスポットディテクション」(後方死角検知機能)です。メルセデス・ベンツの上級車種では、この上をいくレベル3(高速道路などでウィンカーを出すと、後方を確認しながら自動で車線変更をする)が導入されていますが、当然ながらレベル2の警告のみです。

車線変更は時々ヒヤッとさせられることがあります。これは言うまでもなく、ルームミラー・サイドミラーから視認できない死角(ブラインドスポット)に車がいる場合です。それを補ってくれるのがこの機能ですが、いかんせん表示が地味です。ドアミラーに小さく車両接近のランプが点るのですが、晴天の昼間の走行では、周囲の風景にこのランプが埋もれてしまって、せっかくの機能も効果が少し薄くなります。他社では、ミラーの枠全体が点滅するといったものもあるようですが、もう少し視認しやすくなればいいなと思います。ただ、ヒヤッとさせられる機会は減るように思います。


安全装備の宣伝活動で、「ぶつからない車」ということが言われますが、残念というか幸いというか、先代のGolf Rも含め、これを実感できた機会はありません。Golf R Variantにも「渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"」と「プリクラッシュブレーキシステム"Front Assist"」とが装備されています。Golf R時代も含め、この機能が「誤動作」したことは何回かあります。視認して制動操作に入っている最中にシステムが介入すること、先方の車が車線変更で私の前に移動してくることをもってシステムが作動したことなど。特に後者は、高速道路走行中にもありましたので、ちょっと怖いなと感じました。ただ、「作動する」ということは確認できました。このまま作動させないよう、安全運転を心がけたいと思います。

このほか、効果的なものとして、「パークディスタンスコントロール」に、今回のフェイスリフトで装備された「リアビューカメラ"Rear Assist"」と「オプティカルパーキングシステム」が挙げられます。1800mmという車幅はそこそこありますので、こういう補助システムは感覚をつかむのに役立ちます。他方、「ドライバー疲労検知システム"Fatigue Detection System"」は、自身の感覚と異なるタイミングで休憩を促してくるので、効果のほどは未知数です(よほど、装備しているレーダー検知器の走行1時間ごとのアナウンスの方が、目安になります。)。

それもこれも、安全運転のためです。機械に頼って運転するなんてと感じていた時から干支一回り以上齢を重ね、若い頃のような研ぎ澄まされた感覚を維持できているとも思っていません。安全支援装備を効果的に使い、感覚をほかの方向に研ぎ澄ませるツールとして、いつまでも楽しく運転したいものです。

追記:Lane Assistの警告音ですが、メッセージ表示の約1秒後に警告音が鳴りますので、訂正します。ただ、このインターバルは以前はなく、メッセージ表示と同時に警告音が鳴りました。また、警告音も少し優しく感じます。この変化が必要なのか、疑問は残ります。