Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

JISとISOの違いと合理性

 世間では、来年5月の改元にあたり、「平成最後の○○」というフレーズが氾濫しています。また、平成の時代を総括する記事や番組が多くなっています。私自身、平成の大部分を社会人として、しかも転職することなく同じ会社で働き続けています(3年弱、ジョイントベンチャーの会社に出向して、少し違う空気は吸いましたが、所詮は人事異動の一環です。)。また、平成のほとんどを20代、30代、40代として過ごしてきました(10代だったのは、改元から誕生日までの数か月)。

 会社に入った頃は、携帯電話、メールも一般的ではありませんでした。私自身、メールを本格的に使うようになったのは、社会人4年目に社費留学をしたときです。それも会社ではなく、留学先でメールアカウントを付与されました。時代はWindows 95が大ヒット、それでもパソコンは決して普及している時代ではありませんでした。また、インターネット接続も、「ダイヤルアップ」といって、電話回線にモデム経由でパソコンをつなぎ、電話をかけて通信をするスタイルでした(「パソコン通信」という言い方がされました。)。会社ではワードプロセッサー全盛。まだ手書きで書類を創る人もいた時代です。大型コンピュータはあっても、「パーソナル」コンピュータはほとんどなく、留学から戻ってきてようやく、パソコンが入りだしたくらいだったように記憶しています。

 それから時は経ち、平成の終わりを告げる今。Windowsは95から98、Me、XP、Vista、7、8とバージョンアップし、今は10。自宅のPCは前の前のPCが朽ちてきたのを契機に10に移行、会社でもPC入れ替えを契機に10に移行し、会社全体では移行途上です。

 インターネット常時接続は当たり前、電話も、固定電話からPHS、携帯電話(2G→3G→4G)、スマートフォンと変わって来ました。まもなく(図らずもHUAWEICFO拘束で話題になりましたが)5Gの時代が近いのでしょう。固定電話はまだ自宅にひいていますが、ブロードバンド接続のために残しているだけです。会社ももはや固定電話は組織の代表番号程度で、個々人にはモバイルとして、社内でも社外でも使える状況に変わってきました。
 会社に入った際、新入社員研修で、電話の応答練習をしました。その際、固定電話は、電話を取ってメモをするために左側に置き、左手で受話器を取るということを教えられました。今は固定電話ではなく、モバイル(PHS)になっていますが、習い性で左側に置き、左手で操作しています(利き手が左の方もいらっしゃるだろうが、そこは聞き流していただきたい。本論はこれからである。)。

 ふと、それが正しいのかなと感じました。会社でPHSを左手で取るのが「苦手」なのです。考えてみれば、私の利き手は右。パソコンのキーボードは両手で操作するが、癖があり、右手の運動量が明らかに多い。大昔ピアノを習っていたことがありますが、やはり左手は伴奏中心で、メインの音律を奏でるのは右手です。筆記具も箸も右手で持ちますし、スマートフォンも右手で操作します。タブレットも画面タッチはほぼ右手です(縦書きの電子書籍でページを繰る際には、タブレットを左手で持ちながら、左手の親指でめくる操作をするくらいです。)。高校時代の部活は軟式野球部でキャッチャーでしたが、キャッチャーに至っては右利きしかなることができない(はず)。

 昔ほど、左利きに生まれた子供を右利きに矯正される例は減っていると思います(野球をやっているころ、左投げは無理だったが、左打ちには挑戦したくらい、まぁあこがれでした。挑戦した理由は、足が遅いので、一歩分1塁ベースが近くなるという姑息な理由です。)が、左利きを意味する「ぎっちょ」という言葉には、もともとマイナスイメージを帯びていることから、いわゆる「放送禁止用語」扱いされているケースもあると聞きます。

 そう考えると、自動車のウインカーの位置も不思議なものです。国産車日本工業規格(JIS)基準により右側、輸入車国際標準化機構(ISO)基準により左側に装備されています。輸入車だから対照に設計はされていません(DCCのスイッチがドライバーから見てシフトレバーの奥にあるのも、ISO基準ゆえと考えます。)。国産車からGolf Rに乗り換えた直後は、よく間違えてワイパーを動かしたものですが、今やそういうこともほぼなくなりました(ただ、今でもパッシングを出そうと思って、ワイパーを動かしてしまうことはあります。)。逆に、左側ウインカーに慣れた今でも、レンタカーを借りると、やっぱりワイパーを動かしてしまうことがあります(先般の帰省でも度々間違えました)。
 ただ、ISO基準は正しいのでしょうか。左側通行(日本と逆で、中央分離帯の右側を走る)で、運転席がキャビンから見て左側にあれば、ウインカーとシフトノブが別々の手で操作できますが、日本のような右側通行(運転席がキャビンから見て右側)の場合、ウインカーとシフトノブを同じ手で操作しなければなりません。Golf RはDCTですが、ハンドルにシフトチェンジ用のフラップが装備されているので、その干渉はありません。ただ、Golf RにはMT車も用意されているので、その場合、どうなるんだろうと感じます。その点、JIS基準は合理的です。

 こういったことも「非関税障壁」なのかも知れませんが、ユーザビリティを考えると、「郷に入れば郷に従う」ということではないのかなぁと、平成の終わりに電話の位置から、ふと思ったできごとでした。