Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

失速

6月に納車されてから、毎月コンスタントに1,000km以上(8月は2,000km以上)走破してきたGolf R Variantですが、9月は500kmにも届かず、失速してしまいました。決して厭きたわけではなく、1日までが夏季休暇でプチ遠出したものの、翌週末は体調を崩し自宅静養。3連休もなんやかやで距離を伸ばすことなく終わりました。仕事が忙しくて、夏季休暇が取れないどころか、休日出勤も重なった昨年8月以来の走行距離となりました。

明日から始まる来月も、3連休に法事で帰省しますが、新幹線での移動のため、この3日間は車に乗れない見込みです。中だるみといったところでしょうか。

12月早々にはスタッドレスタイヤに換装する予定ですが、先代Golf Rでも使ってきた4シーズン目(走行距離8,800km程度)となるBLIZZAK VRXです。これまではゴムの劣化などもあり、3シーズンごとに買い換えてきたのですが、今年の春、ノーマルタイヤに換装する際、ブリヂストンのタイヤのプロである「タイヤ館」のスタッフから、「もう1シーズン大丈夫です」と(本来なら新しいタイヤを売りたいところでしょうが、)お墨付きをいただきました。

スタッドレスタイヤといえば、以前はブリヂストンがダントツだということを聞かされてきましたが、最近は性能差はどうなのでしょうか。Golf Rは純正タイヤがブリヂストンですから、相性は悪くないはずですが、比較をしてみたいところです。

昨冬は、趣味のスキーには一度きり、東京近辺では降雪もなく、雪上走行はほぼゼロ(一度きりのスキー場の取り付け道路のわずかな距離)という惨憺たる結果に終わりました。今年は新しいマテリアルも手配済み。4 MOTIONが生きる冬にしたいものです。

ラゲッジスペースで寝る

  2017年10月号のCar Graphic誌の特集は「もういちど、ワゴンで出かけよう」。その中で、Golf Variant TSI Highlineが、Mini Cooper SD Clubman、Peugeot 308 GT BlueHDIとの比較に供されています。このブログでも指摘しているようなことは、当然プロ(筆者は三代やよいさん)は踏まえていますし、なによりミニクーパープジョー308に乗ったことがないため、比較のしようもありません。Golfの項目だけ取り出して読むと、なるほどなと感じます。
 同じ号で、写真家のミズカイケイコさんを取り上げ、ボルボ240エステートとの暮らしを描いています。写真家だけあって、「いつもは2週間くらいかけて車内で寝泊まりしながら撮影の旅に出ます」(同誌88ページ)とあります。ではGolf R Variantではどうなんだと。Golf Rと比較して広大なラゲッジスペースを得たGolf R Variant。「車中泊」ができるか試してみました。
 Golf R Variantはリアシートが40:60可倒式+センターアームレストスルー機能がありますが、フルフラットになる仕様ではありません(もちろん、フルフラット=真っ平らという意味ではないのですが)。結果、リアシートを倒しても、リアシートの背面が15度ほど浮いてしまいます。また、ラゲッジスペース下にはスペアタイヤが置かれていますが、その上に少しだけ小物を入れるスペースが設けられています。ということは、これを隠す化粧板の強度は決して強力ではないということだと思われます。
 ラゲッジスペースに寝るためには、まずトノカバーとラゲッジスペースからの飛び出し防止ネットの装置(←これはGolf Rにはない装備です)を外し、リアシートを倒します。リアシートを倒す操作は、テールゲート脇のスイッチでワンタッチ。トノカバーと飛び出し防止ネット装置をラゲッジスペースに収納します。

 私の場合は写真撮影ではなく、「東京を19時頃に出発し、スキー場には未明着。スキー場の駐車場で仮眠をとり、翌朝から滑る」というシチュエーションを想定しています。寝袋は耐寒温度0℃~マイナス5℃のもの。実際に使用するか分かりませんが、万が一の災害対策も兼ねて手配しました。スキー場に着き、スキー用具や荷物を助手席側に寄せ、自分は運転席後方で寝袋に収まるという想定です。

 前回のエントリで写真を載せることを含んでいましたが、諸般の事情で文章のみとさせていただきますが、実際にそのまま横になっても、「まぁありかな」という感じです。身長178cmの私でも十分まっすぐ横になれます。当然、前述のようなシチュエーションだと、隣にスキー板やら何やらがありますので、寝返りを打つには窮屈ですが、起き上がるだけの天井高もありますし、テールゲートも内側から閉めやすくなっています。
 これで数日過ごす…というのはかなり辛いと思いますが、確かにロケハンといった用途には使えるかも知れません。本来の用途ではないことは承知の上で。もちろん、夏は夏で暑さや虫への対策、冬は冬で防寒・乾燥対策が必要でしょう。ここしばらくは運転席のシートを倒して仮眠を取るしかなかったところに、新しいチョイスが生まれました。

Discover Proの起動時間

台風一過。毎日降雨があった東京の8月でしたが、本来東京の(もう9月も後半ですが)8月らしい晴天です。気温も30℃を超えているようです。遅れてきた夏という感じでしょうか。

先のエントリで「仕込んでいる」ネタのため、写真を撮ろうと思ったのですが、自宅マンションのパーキングスペースで、お隣で作業をしている方がいらっしゃったので断念。それだけアホなことをしようとしているわけですが。煽っても仕方ないですが、乞うご期待です。

Discover Proについては、純正だからという言い訳をつけて使っています。いい点、悪い点、それぞれあります。その中で、今回のフェイスリフトで悪くなった点の一つとして、起動の遅さがあります。

ドアを開けて座り、スタートボタンを押してエンジン起動(コールドスタート)、同時にDiscover ProとActive Info Displayが起動します。スピードメーターとスロットルはすぐ表示されますが、カーナビの画面はなかなか表示されません。Discover Proの画面が30秒ちょっと、Active Info Displayのカーナビ画面は45秒近くかかります。

これはちょっと遅すぎやしないでしょうか。コンビニで弁当が温まります。その間は、オーディオの操作も、目的地の入力もできません。

細かいアラかもしれませんが、すっとスタート出来ないむず痒さを感じます。

初警告

台風18号が日本列島を舐めるように北上中です。せっかくの連休ですが、天気には勝てません。雨が降らないならこのブログに書こうかと思っているネタ(仕込み済み)があるのですが、それも見送りです。

先日の東北ツアーも最終日は雨。それまでウインドスクリーン(ガラス)には何の細工もしないでいたのですが、フロントとリアはともかく、サイドとドアミラーの雨滴で視野が妨げられることに気づきました。運転席と助手席のサイドウインドウとドアミラーに撥水加工を施しましたが、ドアミラーにはあまり効果がないようです。サイドミラーには親水処理の方がいいかもしれませんが、そのようなケミカルが売っているか、探してみようと思います。

近場をうろうろ走っていると、警告ランプが点灯しました。タイヤ空気圧不足の警告灯。高速道路走行中だったので、どうしようもなく、高速道路を下りて、ガソリンを補給がてら、エアチェックをしました。実は、7月の1ヵ月点検以来、エアチェックはしていませんでした。というのも、先代Golf Rでも警告灯が点ることなく、スタッドレスタイヤ換装時と年1回の定期点検時にチェックする程度でした。それまでは給油2~3回に一度はエアチェックをしていたのですが。

先代Golf Rは、センサーの故障で警告ランプが一斉に点灯したことがありました。ディーラーに持ち込むまでひやひやしましたが、センサーの取替で済みました。これまで警告灯が点灯するのはABS作動灯くらい。あまり経験したことがないので、警告灯が点るだけでびくっとしてしまいます。

Golf R Variantの場合、2人乗車時の空気圧は2.6psi、5人乗車時は3.9psiです。日本車の場合、ここまでの指定は見られないと思います(今月号のCar Graphicはワゴン特集ですが、BWMとAudiにフル積載で出かけるという企画の中で、やはり積載重量によって空気圧を変えるということを知りました。)。

実際、エアチェックしてみると、四輪のうち、3つは正常(2.5~2.6程度)でしたが、左後輪が2.4まで下がっていました。空気圧センサーというのはGolf Rになって初めて付き合うことになりますが、確かに効果的なものであることが分かりました。2.6強に充填して、Discover Proの画面から警告灯リセット操作。定期的なエアチェックは欠かしてはなりません。

ドライビングプロファイルつきDCC

Golf Rには「ドライビングプロファイルつきDCC(アダプティブシャシー・コントロール)」が標準装備されます。

(ドライビングプロファイルの選択機能はTSIなどにもありますが)

以前も書きましたが、そのスイッチの場所は左ハンドル前提で配置されていますので、右ハンドルの場合、運転席から見てシフトレバーの真裏にあたります。今回のフェイスリフトでもこの配置は変わりませんでした。頑なというかなんというか…。Discover Proのタッチパネルとは異なり、ボタンですし、Active Info Displayにも切り替え結果が表示されますので、少し手を伸ばせば済みます。

モードは「エコ」「コンフォート」「ノーマル」「レース」「カスタム」の5種類。カスタム以外の4モードはプリセットされています。セッティングは次のとおりです。

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私の場合、「エコ」は一般道、「コンフォート」は高速道路巡航時、「レース」は山坂道を”アタック”する時、「ノーマル」はあまり選ばず、強いていえば"アタック"モードではない山坂道(高原道路などの巡航時)、という感じです。今週訪れた牡鹿半島では、"アタック"モードではありませんが、「レース」を選択していました。

DCCは足回り、ドライブの「エコ」はアクセルを離したときのコースティング機能に切り替え(シフト表示が「E」)、「レース」はシフトアップがより高回転で行われるよう切り替え(同「S」)、ノーマルはその名の通り(同「D」)です。レースモードを選ぶ場合でも、ほとんどの場合、シフトを「S」から「D」に変えて、パドルシフトで操作します。マニュアルモードや「S」モードにしたままにしておくと、インフォメーションディスプレイから「Dモードに戻してください!」と表示されます。この表示や、必要があってリアフォグランプをつけているときに、「リアフォグランプを消してください!」と表示されるのは、正直鬱陶しいです。(もちろん、この表示はDiscover Proの設定で表示しないようにできます。)

私の感触など当てになるわけないのですが、DCCのコンフォートは、道路の段差を通過した後の細かい揺れがゆっくり収束していくのに対し、ノーマルはすっと収まる感じです。レースはびしっと固くなります。

ACC、ダイナミックコーナリングライトの違いはよくわかりません。エアコンは「エコ」にするとアイドリングストップの頻度が増えます。エンジン音はこのフェイスリフトで追加された要素で、先代はどのモードでも「レース」でのサウンドです。「エコ」「コンフォート」の差は今ひとつ分かりませんが、確かに穏やかです。

改めてこうやって書き出してみると、「エコ」のDCC・ステアリングのセッティングが「ノーマル」で、「コンフォート」が「コンフォート」であるというのは、深いなぁと思います。街中でもきびきび走ろうと思うと、あまりふわふわした感じではダメです。「コンフォート」では落ち着かなくなるだろうなぁと感じます。

フェイスリフト後、DCCの「カスタム」は使っていません。先代では、「レース」ーDCCを「ノーマル」として使っていましたが、上述のとおり操作すれば済むこと。「エコ」にステアリング、ダイナミックコーナリングライトを「レース」にして、きびきび走りに磨きをかけるか、という程度でしょうか。その意味で、4つのモードはよく練られているなと感じます。

ちぐはぐ~Discover Proのダウングレード

夏季休暇で北関東・東北を回ってきました。那須で1泊した後、現在開催中の「Reborn-Art Festival」へ。展示会場が石巻市街地と牡鹿半島に分かれていることもあり、初日は午後半日かけて牡鹿半島エリアを、2日目は昼過ぎまで車を石巻市内において徒歩で石巻市街地を、それぞれ鑑賞しました。Art、Food、Musicのコラボレーションが「売り」なのですが、Foodは運悪くヒットせず、Musicはどうしても開催が石巻市街地で夜となってしまうので、牡鹿半島に夕食付きで宿を取ってしまった関係上、これも断念。Art中心で楽しみました。

石巻、女川、福島浜通りを回って、4日間で1,200kmを踏破しました。最終日にノーズを自宅に向ける途中で4,000kmを突破。

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その後、牡鹿半島から自宅まで、460kmを7時間半ほどで走りきりました。

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震災から7年目に入りましたが、まだまだ復興半ば。石巻市街地では、津波の被害から道路を引き直すところから始まったようで、カーナビ(Golfのカーナビは更新が遅いということを差し引いても)のマップと実際の道路が異なる箇所も散見されました。復興ならぬ「復幸」になるよう、ささやかながら何か手伝いができたらと思います。

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石巻、女川は私にとって未踏の地です(福島浜通りもそれに近いですが)。ここはカーナビと新しい「Car-Net」の腕の見せ所です。指定された駐車場の住所がパンフレットに書いてあるので、これはカーナビで住所を入れれば済むな…と考えていたのですが、Discover Proは、住所での検索ができなくなっています。ランドマーク、電話番号、マップコードによる検索と、周辺検索しかできません。これは明らかなダウングレードです。

それならばとCar-Netでネット検索をしておいてWLANでつなげばいいと思ったのですが、データを取り込み、一旦Discover Proに保存してしまうと、ランドマーク名ではなく「○○市○○町付近」とだけ表示されてしまいます。テザリングでつないだまま、Car-Netでオンライン目的地を選択すれば、ランドマーク名が表示されるのですが、ネットを切り離してしまうとこんな感じ。ちょっと不便すぎます。

先代Discover Proでの住所検索も、簡単ではなかったように思いますが、住所検索機能はありました。個人宅を訪ねるときなどは有用(電話番号では検索出来ません)なのですが、このダウングレードはじわっと効いてきます。そんなことが露呈した旅でした。

BLUEMOTION Technology

 このブログは、筆者のSNSアカウントとは切り離して書いています。画像検索などすれば、筆者を特定することは可能でしょうが、SNSに「ブログ更新しました」とは出していません。

 こちらでは、SNS以上に独りよがりで、好き勝手なことを、大して辛口でもなく書いています。そんなこのブログも、1日あたりの閲覧数がコンスタントに50を超えるようになってきました。検索エンジン経由でたどり着くのだと思いますが、何も参考にならないであろう、駄文を読んでいただいた皆様に感謝です。

 さて、今や車も環境に配慮しなければ生きられない時代です。英仏では2040年までに内燃機関による車を全廃するというムーブメント。約20年後、今のルールでは、筆者もリタイアしているはずですが、年金や何やらでまだ働いているかもしれないその頃、自動車はどうなっているのでしょうか。また、私はそのハンドルを握っているのでしょうか。そして、水素の時代が本当に来るのでしょうか。

 そんな書き出しにしてみたのは、Golf R VariantのBLUEMOTION Technologyについて言及するためです。BLUEMOTION Technologyを平たく言うと、アイドリングストップ(「Start/Stopシステム」)と、ブレーキ時に発生する減速エネルギーをバッテリーに充電する「ブレーキエネルギー回生システム」です(他車種では気筒停止といったものもありますが。)。
 ブレーキエネルギー回生システムについては、トヨタ系のハイブリッド車に特有の「ひゅーん」という音が出るわけではなく、また、回生の効果を具体的に示す表示もありません。以前、ホンダのインサイトに乗っていたときは、メーターにIMA(Integrated Motor Assist)の効果を示すバッテリーメータなどが表示され、遊び感覚で楽しめましたし、トヨタ・プリウスなどでは、それがより明確に示され、バッテリーのみで走行することも可能です。Golf Rでは、そこまでのギミックは搭載していません。
 他方、Start/Stopシステムについては、積極的にエンジンのアイドリングを止めることにより、燃料消費を抑える効果があります。それはある程度事実でしょう。新型Golf Rになってから、よりエンジンを止める頻度が増えたように思います。冷夏多雨の兆しがあった東京の今月であっても、涼しいとまで言える日はそうそうありません。車の中はそれなりに高温になりますが、それでも積極的にエンジンを止めてきます(クーラーも止まりますが、送風だけはバッテリーで弱々しく続きます。)。

 実際のエネルギー効率として、何秒アイドリングストップすれば、アイドリングしたままであるより、エンジン再起動時に(余計にかかるかもしれない)燃料と釣り合うのかは分かりません。ただ、より積極的にエンジンを止めにいくようになったのは、先代Golf Rとの大きな違いです。先代の場合は、車が完全に停止してからエンジンのカットオフが起きましたが、新型では完全に車が停止する前にカットオフが起きることもあります。このあたりは明確にコンピュータのセッティングを変えてきたことが看守されます。

 エンジン再始動のマナーは、かなりよくなりました。DCCのセッティングに、エンジン音の選択肢が増え、エコ・コンフォートモードでは排気音が多少静かになります。ある程度の振動はやむを得ませんが、先代Golf Rよりお行儀よくなりました。
 ただ、ホンダ・インサイトで初めてアイドリング・ストップに接し、レンタカーでいくつか経験を重ね、先代Golf Rで慣れてきた私にとって、新型Golf Rの積極的なアイドリング・ストップには、まだ慣れませんし、それまで培ってきたリズムとは異なる動きについていけていません。

 燃料を無駄遣いしないということはもちろん正しいことです。将来、内燃機関を持つ自動車がなくなっても、何かのエネルギーを駆動輪に伝えて動かすことが「自動車」の定義でしょうから、その「何か」のエネルギーが、完全にカーボンフリーのもの(現時点では太陽光・水力・風力・波力・地熱による発電に限られますし、今はおそらく、消費者が自ら発電しない限り、それらから好みのものを選択することはできません。)でない限り、どこかに無駄遣いが生じるわけで、それを節約するというもの正しいことです。

 一方で、そのエネルギーを使って自動車を操る楽しみは、人による運転を禁止しない限り、なくならないと思います。そこには自動車とそれを操る人とのハーモニーがあります。実は、車との相性って、それが一番大切ではないかと思います。運転して苦痛な車には乗りたくないものです。

 Golf R Variantは、多くの人を受け入れる「度量」を持っている車だと感じていますが、まだ私とフィットしていない数少ないポイントが、このStart/Stopシステムであると感じる次第です。