Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

マニュアルと広報誌

インポーターであるフォルクスワーゲン・ジャパンから、フォルクスワーゲン・オーナーズ・パスとともに、「Liberty」という冊子が届きました。前回Golf Rを購入したときはVolume 10。今回はVolume 15ですので、半年に1回程度更新されると思われますが、Volume 11から14までは手元にありません。メーカーやインポーターから届く季刊誌というわけではなく、購入時に配るという整理のようです。道理で、中身に大きな変更は見られません。参考になる情報もあり、前に見たなという情報もあり。それなりに役立つ冊子です。

どちらかというと、普段使わない、しかし時に必要な情報がこの冊子に書かれているので、頭に止めておく必要があります。例えば、リモコンキーで操作できない場合のキーシリンダーでの操作、パーキングライトの点灯方法(以上2点は、過去に使ったことはありませんが)、リモコンキーでのウィンドウ開閉遠隔操作(これは猛暑の季節にこそ必要です。)などは、滅多にしないからこそ、必要な情報です。(加えて、ワイパーの起こし方も書かれているとよかったと思います。私自身は、スキー場によく足を運ぶ関係上、所与のものとして体得してしまいましたが。)

というのも、フォルクスワーゲンだけなのか、輸入車全部がそうなのかわかりませんが、車のマニュアルに辟易としたからです。国産車のマニュアルだって、決してわかりやすいとは思っていませんが、前回、Golf Rを購入した際についてきたマニュアルは、インターネットの翻訳サイトでもこうはならないだろうというくらい、稚拙な日本語のオンパレード。ドイツ語は履修経験がないのでわかりませんが、もし原典が英語ならば、私程度のレベルでも、英語を読んだ方が理解できるのではないかと思う酷さです。さすがにDiscover Proのマニュアルは多少マシでしたが、車自体の操作マニュアルはひどいものです。今回Golf R Variantの車本体のマニュアルはページを開けてもいません。

フォルクスワーゲンをはじめとする輸入車の一本筋の通っているところは、それぞれの操作に慣れれば、車種を乗り換えてもそれほど「コックピット・ドリル」の時間がいらないこと。これが国産車の場合、同じ車種ならそうでもないこともありますが、電子装備だらけの昨今、同じ車種でも「あれなんだっけ?」と往生してしまうこともしばしば。レンタカーに至っては、まずどこに何があるかを確認することで時間をとられます。

最近は、輸入車であっても、電子装備の操作というギミック故、その理屈が通らなくなっていることも増えましたが、フォルクスワーゲンに関しては、今回のフェイスリフト後も、それほど困惑はしません。Discover ProやCar-Netについては習熟に時間がかかりましたし、自分向けのカスタマイズにも相当時間をかけましたが、それ以外の点ではぱっと乗り移れました(現に、ディーラーでGolf R Variantを受け取り、給油のため乗り出してみても、Discover Proを除き、スムーズに移行しました。)。DCCの操作スイッチが左ハンドル向け、すなわち右ハンドル車の運転席から見て、シフトレバーのブラインドサイドにあることも含め、その点は頑なです(苦笑)。

これからはいよいよ盛夏のレジャーシーズン。渋滞だけは御免蒙りたいですが、山へ海辺へと、Golf R Variantで繰り出したいものです。

1ヵ月点検

納車から1ヵ月と1日。1,523kmで1ヵ月点検に入庫しました。

ディーラーで待っていると、見た記憶のあるGolf Rが店頭に駐まっていました。認定中古車として売り出さされているのは1ヵ月と1日前まで私が乗っていたGolf Rでした。スキー板を倒してしまったときにつけた細かい傷の位置が同じ。1ヵ月と1日ぶりの対面です。値札は、当然下取り価格より高いものです。商売ですから当然です。「売上高売上総利益率」でいうと9%。中古車としての利鞘が十分なのかどうかは分かりませんが、納得して引き取っていただいたし、ディーラーサイドも納得して(新車を売りたいということも含めて)引き取ったと思うので、早くセカンドライフの相手を見つけてもらいたいものです。

以前も書いたかも知れませんが、定期点検について日本車と違う点は、

  1. 点検サイクルは1ヵ月点検の後は、1年に1回。(日本車は半年に1回)
  2. 1ヵ月点検でオイル交換はしない。年1回のみで、エンジンオイルが減ったら(自分で)補充する。

の2つだと感じます。フォルクスワーゲンの場合、自社ブランドの純正オイルに、API(米国石油協会)のエンジンオイル規格に加え、フォルクスワーゲン独自の規格を設けています。このため、カー用品店で売られている有名なエンジンオイルを使うことは推奨されないことになります。フォルクスワーゲンの独自規格は不明ですが、ロングライフな設定にしているようで、半年ごと(や3,000~5,000kmごと)にオイル交換することを求めていません。

基本はコンピュータを接続してチェックをしつつ、オイルやクーラント、空気圧などといった目視・触診が必要な箇所を確認していく、という行程だと思われます。結果は当然ながら異常なし。洗車込みで1時間を少し超えるくらいの待ち時間です。次の点検は11ヵ月後となります。

1ヵ月と1日経って気になるのは、運転席のフットレスト付近の化粧板が「びびる」ことです。サービススタッフにこの点を聞いてみると、Rに加え、ALL TRACKやGTIでも同じような症状が出ているようですが、インポーターやメーカーから具体的な指示が出ている状況ではないようです。表面的な緩みが見られるわけではなく、確認するなら時間を取って内張をとって確認するしかないとのことなので、今回はそのまま放置することにしました。

昨日・今日と関東地方は真夏の暑さとなりました。ヘタレを見せることなく、車とともに夏を乗り切りたいと思います。

ナイトラン

納車され昨日でちょうど1ヵ月。オドメーターは1,500kmを超えました。本日、1ヵ月点検に入庫する予定です。

昨日は初めて夜間走行となりました。新装備のLEDヘッドライトの感想です。夜間走行といっても都市部なので、街灯や行き交う車の光が溢れている中に過ぎません。

しかしながら、新装備のLEDヘッドライトは明るいというのが印象です。車を乗り換えるたびに、アシストランプが欲しいなぁと思っていました。昔WRCを席巻した三菱・ギャランVR-4に標準装備されていた2灯式アシストランプ(ドライビングランプとフォグランプが2連)にあこがれた時期もありました。何とかして夜間走行を快適にと思ってきましたが、車検との関係もあってなかなか手が出せませんでした。先代、そして現行のGolf Rも、GTIにはあるアシストランプがありませんし、今流行のデイライトランプもなし(アフターパーツが出ているようですが)。

1ケタ国道と首都高速中心の走りですが、これまで乗ってきた車にはない明るさです(もちろん、規則の範囲内でしょうが)。白みの強い光線ですが、クリアに照らしてきます。

ステアリングの動きに応じて照射する「ダイナミックコーナリングライト」、低速時に効果を発揮する「スタティックコーナリングライト」、60km/h以上で光の照射角度を調整する「ダイナミックライトアシスト」は効能を確認するまでには至りませんでしたが、夜間走行への不安はかなり解消されると感じました。

 

追記 ナイトランで書き忘れましたが、新装備の「ブラインドスポットディテイクション」は夜間だと警告表示が非常に見やすくなります。逆に、日中は左右のミラーに警告灯がポチッと点くだけなので、明るい周囲の景色と溶け込んでしまい、見づらいのが気になります。他社では点滅するといった工夫をしているようですが、あくまで補助装備であることを念じて活用したいと思います。

ワインディングロード走行

 慣らし運転を終え、Golf R Variantをワインディングロードに連れ出しました。コースはお決まりの国道413号線道志みち)から通阪トンネルを抜ける県道24号線、都留市街から山中湖に抜け、三国峠を抜ける県道730号~県道147号線で静岡県小山町に抜けるルートです。

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 最新号(2017年8月号)のCar Graphicでは、4ページを割いて新型Golfの記事を組んでいました。スポーツモデルについて、GTIには賞賛を送る一方、R(ハッチバック)には「重い印象」「パワーにシャシーがついていっていない」との厳しい言葉がありました。ただ「飛躍的進歩は感じられないが、もともと完成度が高かった」というのは、最大の賛辞であると感じました。

  ほとんどの場面で先行車がいましたので、スピードは常識の範囲内。エンジンもさることながら、操舵感などを確認する走りとなります。専門家ではないので、細かい車の挙動などが分かるわけもありませんが、このCar Graphicの記事を読んで乗ると納得した次第です。

 エンジンは何の不満もありません。7速DSGでは3速、4速を中心に、タイトコーナーで2速を用いるということになりますが、窮屈な印象もありませんし、ギア選択を誤っても、あまりあるトルクとパワーで、公道であればごまかしが利きます。小雨で路面が濡れている状況ですが、グリップ感に申し分なし。やれアンダーステアだ何だということは分かりませんが、ステアリングの操作に応じて、各種デバイスが適確に反応し、狙った方向に頭を向けていきます。常識の範囲内でコントロールを失うことはもちろんありません。

 先代Golf Rの末期から感じていた(特にタイトコーナーでの)ロールの大きさは、新車のGolf R Variantで解消することはありませんでした。おそらくそのほとんどが「バネ上」であろう70kg増がそのままロール増につながっている印象で、タイトコーナーの振り回され感はやっぱり「重たいなぁ」という言葉につながります。しかし、ハイスピードコーナーではしっかり踏ん張ってくれて、姿勢を維持するのはさすがです。

 DCCをレースモード(ただしギアは「S」モードではなく「D」モード)に切り替え、マニュアルモードでパドルシフトで操作しますが、レースモードにすることでステアリングが重くなります(これは先代比より重くなりました)。これにはいい面と悪い面があるように感じました。実際、しっかり操作する必要があるという観点から、ステアリングが重くなるのは当然ですが、重くなりすぎることで車重をより感じてしまう気もします。

 困ったのが警告。「エコアドバイス」をオンにしていますが、エアコンをつけたままちょっと窓を開けると「窓が開いています」(駐車料金の精算のため、窓を開ける程度でも表示されます)。DCTをマニュアルモードにしていると「Dポジションにしてください」。三国峠を越える時には数メートル先しか見えないような濃霧でペースダウンし、リアフォグランプを点灯したのですが、しばらくすると警告音とともに「リアフォグランプを消してください」。普段はAUTOに設定しているヘッドライトが点かないくらい明るい状況だったので、手動でライトオンしたのですが、この警告には辟易です(エコアドバイスを切ればいいといえばそれまでですが)。他方、先代Golf RではうるさいくらいだったLane Assist中にハンドル操作を行わない場合の警告。先代は警告音が鳴り、「ハンドルを操作してください!」とディスプレイに出ますが、当代は表示だけ。ハンドルを操作しないということは、居眠りをしている可能性もあるわけで、この警告音カットは不可解です。

(もっとも、Lane Assistによる車線追従機能は、先代からちょっと精度が下がっているように感じます。先代はきちんと車線の幅を認識して追従し、ハンドル操作もしていましたが、当代は車線の幅をいっぱいいっぱい使っているような印象を受けます。ハンドル操作も控え目なようで、少し頼りなく感じました。)

 いろいろと見えてきたGolf R Variant。まもなく1ヵ月点検です。

燃費(慣らし運転中)

今日は幸いにもプレミアム・フライデー(ただのフライデー a.k.a. プレミアムフライデー © @SHARP_JP)に肩を押され、早めに帰宅して、Golf R Variantを駆って、馴染みのスキーショップに顔を出しました。ショップの店長が目ざとく私のGolf R Variantに気づきました(先代Golf Rに乗っているのをご存じなので、まさに目ざとくです)。ご自身は第5世代のGolfに乗られているとのこと。知らない人にはただのフォルクスワーゲンゴルフに、知っている人にはRだと気づかれるのが、Golf Rならではだと感じた瞬間です。

 さて、納車から4回目の週末を間もなく迎えます。来週で1か月。日本車では1か月点検のあと、半期ごとに入庫するようメンテナンスプランが組まれていますが、フォルクスワーゲンの場合は、1か月点検の後は12か月点検まで入庫はありません。エンジンオイルも、フォルクスワーゲン認定のロングライフ型のものが指定されており、3000~5000kmでオイル交換、ということもありません。ユーザーが定期的にオイルレベルを点検し、必要に応じて補充するという考え方で、基本は1年に1回の点検時にオイル交換をするだけ。このあたりも考え方が違います。

 Golf RからVariantに転じたことで、車両重量は60kg増加しています(先代Golf Rは1,500kg、先代Golf R Variantは1,560kg。)し、フェイスリフトで10kg増加しています。また最高出力・トルクもアップしており、当然ながら燃費への影響が気になるところではありました。

 しかしながら、2回の給油(納車直後にもう1回給油していますが、これは満タンになっていない状況なので除外します。)における満タン法による燃費は11.9~13.3km/L(Discover Proで表示される燃費計では12.7~13.8km/Lと、いい方に出ます。)。これは、Golf Rの平均燃費(11.4km/L)を大きく上回っています。もちろん、この2回の間、1日あたり走行距離が100kmを超えており、かつ高速道路などの走行が多いことは影響しているとは思いますが、車両重量増加にもかかわらず、有意に燃費向上が認められると考えています。

 貢献しているのが新たに搭載された湿式7速DSGと思われます。前車Golf Rでは6速100km走行時のエンジンは2,400回転前後であったのに対し、Golf R Variantでは7速で2,000回転以下。この差が効いているのは事実です。市中走行でも、DCCを経済的な「エコ」や「コンフォート」モードに切り替えると、そこそこ速度が上がると積極的にハイギアに入れようとする傾向が見られます。また、BluemotionテクノロジーによるStart/Stopシステム(アイドリングストップ)も、先代よりより積極的にエンジンを止めてきます。加えて言うならば、DCCを経済的なモードにしておくと、エンジン音も回りに憚れるような爆音ではないですし、停止・起動もかなり穏やかです(DCCのカスタムモードでは、エンジン音の選択ができます)。

 それ以外に細かいチューニングがどこまでされているのかは分かりませんが、燃費向上はユーザーにとって好意的な情報でしょう。

 エンジン慣らし運転も終わりましたので、できればワインディングロードでの走りを今週末確かめたいところです。

内装(その2)

オドメーターは1,073kmに達しました。次の週末からエンジン回転を少し上げ、動力性能を確かめたいと思います。

今回は「Discover Pro」を中心に据えます。ディスプレイは大きくなって9インチ。1インチ拡大した一方、これまでディスプレイ両サイドに配されたプッシュボタンとダイヤルもタッチパネル対応になりました。これは善し悪しありと思います。

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さらに、WLANでスマートフォンテザリング接続し、PC等で「Car-Net」に登録することで、オンラインVICS情報、オンライン施設検索などの情報が取得出来る「Guide & Inform」の機能が付加されました。PC等で登録し、14日以内に8ケタのコードを取得してアクティベーションをしなければ使用出来ませんが、最初のうちはなかなか反応せず、2週目になってようやく使えるようになりました。

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画面上部、時計の左側にあるのがWLAN接続の状況(未接続の場合は、マーク右下に「0(ゼロ)」と表示されます。接続時には、時間表示右のVICSマークが青くなります(未接続時は白)。

まだ使い込んではいませんが、まぁギミックの域を出ないのかなというのが正直な感想です。駐車場やガソリンスタンド検索はNAVITIMEと連携をしているようです。

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前の前にホンダインサイト・エクスクルーシブに乗っていましたが、それに搭載された「インターナビ・リンク~プレミアムクラブ」と比較すると、クオリティは差があります。インターナビの場合、3G通信が装備されており、都度テザリングでつなぐといった手間は不要です(ただ、走行中、徹底的にナビを操作出来ない仕掛けには閉口しました。)。それに比べると、車を駐めるなり、同乗者にNAVITIMEで検索してもらってやればいいのではないかなぁという程度です。常時つないでおけば、カーナビ使用時に混雑を避けたりとか、そういう機能があるのかも知れませんが、これといった効果はまだ感じられません。

また、新しい機能として、過給圧計やThink Blueメーターが表示出来るようになりました。

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パフォーマンスモニターとして、ターボ過給圧、前後左右の加速度計、出力計が表示されるのですが、できることなら、これを運転席前の「Active Info Display」で表示出来る方がスポーツ走行に資するのではないかと思うのですが、「Active Info Display」で表示される機能はある程度固定されていて、表示することができません。まぁ、これは好みの問題です。

右下に手のひらが表示されていますが、今回の売りである「ジェスチャーコントロール」が可能であることを示しています。ただ、まだジェスチャーコントロールが効果的にできる場面には遭遇していません。メニュー画面から12個選択肢がありますが、1画面目に8つ、2画面目に4つ表示されてしまうので、結局は画面を見てタッチパネルを触らざるを得ません。1画面に1つというようにすれば、ジェスチャーコントロールも生きると思います。

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これが「Active Info Display」です。速度計が見切れていますが、それぞれのメーターナセル内の表示を切り替えることが可能です。また、カーナビ画面(こちらの縮尺は変えられません。細かい道に入ると縮尺が自動で代わります)の他に、前の「フルカラーマルチファンクションインディケータ」と同じ内容も表示出来ます。

ただ、メーター内に表示出来る内容が限られます。ギアと速度、エコ表示、高度計と方位計など。結局、燃費と走行可能距離しかないなぁという感じです。前の「Discover Pro」では、画面に高度計が表示されましたが、前掲の写真でおわかりの通り、「Active Info Display」を切り替えることでしか、高度計を確認出来なくなりました。

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こちらはエコ走行の度合いを示すThink Blueトレーナー。左と右のメーターをタッチすると、過去30分の状況を分単位でグラフ表示してくれます(真ん中のメーターの意味は、何かあるのかも知れませんが、感覚的に不明です。)。

また、安全装備として、これまでもあった「パークディスタンスコントロール(フロント・リア)」に加え、「オプティカルパーキングシステム」として、ギアをリバースに入れると、リアのフォルクスワーゲンエンブレムに仕込まれたカメラが起動し、このディスプレイに後方の状況が表示されるようになりました。これは助かります。

全体的に画面の質は上がったように思います。「Active Info Display」は追従も適確で、カーナビ画面を表示させることで、視線をそれほど動かさずに状況を把握出来るようになり、安全に貢献すると思われますが、「Discover Pro」ともども、スタートアップ時のカーナビ起動に少し時間がかかります。これは今後のファームウエアアップデートを期待したいところです。

6/26追記:一つ残念なのが、Discover Proのオーディオ機能で、ワイドFMに対応していないこと。難視聴対応で始まったワイドFMですが、車でも同様です。 

内装(その1)

まだエンジン慣らし中で、動力性能を確かめるのはもうちょっと先。ただ、今回導入された湿式7速DCTは燃費面ではかなり効果が出そう。第7世代Golf Rで高速を法定速度前後で流しても、14km/L台の燃費(車両側の燃費計表示)がでることはなかなかなかったが、今回は下手もすれば15km/Lという数字がお目見えすることもある。第7世代の6速より当然ハイギアードになっているわけだが、少なくとも燃費面の貢献度は明らか。今後の動力性能を見る中で、2~4速あたりの使い心地を確かめることになろう。

ということで、目につく内装から触れる。

基本はキープコンセプトであり、第7世代Golfと大きな違いはない。フロントシート回りの収納場所(ドアポケット、グローブボックス、助手席下、運転席膝上、センターコンソール、シフトレバー上、オーバーヘッドコンパートメント)も変わらないし、スイッチ類も同じ(相変わらず、DCC(アダプティブシャシーコントロール)のプッシュボタンが左ハンドル仕様のままで、右ハンドルだと、運転席から見て、シフトレバーのブラインドサイドとなる点は改良されていない。グローブボックス内に備え付けられているETCカードのスロットが、SDカードやDVDのスロットよりも遠いというのも、おそらく右ハンドル仕様の延長だからではなかろうか。)。センターコンソール前にあるドリンクホルダーのバネがきつくてカップやボトルの脱着がしにくく、気をつけないと車内に液体をぶちまけてしまいそうになることまで同じ。このあたりの唐突感はまったくない。

数少ない相違点は、カタログ上は「自動防眩ルームミラー」が装備されているはずだが、第7世代Golf Rにはあったスイッチとセンサーらしい小窓が見当たらない。本当に自動防眩ルームミラーなのだろうか?

インパクトがあるのは、中央に鎮座するDiscover Proと、運転席前に広がるActive Info Display。Active Info Displayは、同じフォルクスワーゲングループのアウディ車では既に導入されていたが、検証ができたことを踏まえて、フォルクスワーゲンに移植されてきたというのが実状の様子。

Active Info Displayは、以前のメータークラスターが電子表示となった上に、カーナビ画面などを表示出来ることが売り。反応速度に違和感はない。ただ、メーターの中に表示出来る内容が限られており、結局はメーターの中には燃費、中央にはカーナビ画面を表示することがほとんど。Discover Proの画面では、Think Blueの表示やブースト計・加速度計・出力計の3連メーターを表示することができるのだが、こちらをActive Info Displayに表示出来るようになれば、スポーツ走行時の視線移動も最小限に抑えられるというもの。細かい話だが、第7世代GolfではDiscover Proの画面内に表示されていた高度計が、Active Info Displayのメーター内でしか表示されなくなったのはマイナス点。

また、スタート時にデータの読み込みに時間がかかり、メーターはともかく、カーナビ画面が素早く表示されないのは、第7世代よりも悪化している。今後のファームウェアのアップデート等に期待したい。

一つ解決出来ていないのが、VICS情報の読み上げ。一般道では読み上げない設定にできるのだが、高速道路でそれを切る方法が今のところ分からない。このため、高速道路でVICS情報を捉えると、メディアで演奏中の音楽なりが完全に遮断され、VICS情報が読み上げられてしまう。ここはディーラーセールスに解決方法を確認してもらっているところ。

そのディーラーセールスが言っていたが、カーナビデータの更新が遅いのも難点。6月9日の納車時点で、3月に開通した首都高横浜北環状線K7)はまだ表示されない。

今回のフェイスリフトでの「売り」の一つである「ジェスチャーコントロール」とテレマティクス機能「Guide & Inform」「App-Connect」「Volkswagen Media Controlアプリケーション」については、次回に譲りたい。