Golf R Variantとの日々

2017年式第7.5世代Golf R Variantについてつらつらと書いていきます。車の専門家でもジャーナリストでもない所詮素人ですが、2台続けて第7世代Golf Rを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

Golf R Variantへの乗り換え

2014年9月に登録されたGolf R。約24,000kmをともにしました。価格に見合っただけの車ですし、大きな不満はありませんでした。

280馬力・38.7m-kgを生み出す2リッター4気筒エンジンの力を四輪駆動「4 MOTION」に振り分けて走る力は、いかなるコンディションをものともしません。アダプティブシャシーコントロール「DCC」は、日常使いでは「エコ」モードを選択すれば、アクセルペダルを離すとコースティング(空走)モードに切り替わり燃費を稼ぎますし、「エコ」「コンフォート」にしておけば、乗り心地も極めてジェントルです。それを「レース」モードに切り替えると、獰猛さを見せます。ワインディングロードでもコースに追従してピタッと張り付くように踏ん張る足回りは爽快そのもの。四輪駆動車にありがちな曲がりにくさも、「4 MOTION」と電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」で前後左右にトルクが適切に配分されることにより、感じさせません。通しての燃費も12km/L程度。大飯喰らいというわけでもありません。

内装はフォルクスワーゲンゴルフの伝統的な配置に、Golf R専用のデコレーション。きちっとまとまった中央に鎮座するのが、インフォテイメントシステム「Discover Pro」。ナビゲーションシステム自体は、日本車や日本のナビメーカーに比べると洗練されていないのは致し方ないなと感じますが、決定的に不足しているものではありません。

といっている間に、ディーラーセールスから、Golf RにVariantが設定されたという一報がありました。若干のバージョンアップもさることながら、最初からこの選択肢があれば、Variantだったなーと感じさせるもの。

というのも、全長4,275mmのゴルフ。4輪をオーバーハングを切り詰めて配置してあることから、4人乗車そのものに窮屈さはありませんでしたが、スキーには今ひとつでした。Golf Rには分割可倒式リアシートとリアセンターアームレストのトランクスルーが用意されているのですが、165cmのスキー板を放り込むには中途半端。トランクスルーを使うと、スキーのトップが前席アームレストに出てしまいます。ブレーキを踏んだときにスキーが動いてしまうと危ないです。となると、可倒式リアシートの出番となりますが、165cmの板を入れると、斜めにしてようやくギリギリ。ラゲージスペースの側壁はずいぶん傷つけてしまいました。

冬場は、ブーツ、ポール、ヘルメットを入れっぱなしにして、板は都度自宅から持ってきて乗せるスタイルですが、コンパクトさゆえの取り回しの良さと、窮屈さが気になっていました。

加えて、2年半振り回してきたことで、少し疲れも見えてきました。レースモードに設定してワインディングを走ると、車体のロールが以前よりも大きくなってきました。当然9月には車検がやってきます。乗り続けるかどうかの判断をする時期が徐々に近づいてきました。

ディーラーセールスから、第7.5世代のゴルフの情報がもたらされたのが5月の連休明け。その前にディーラーでETC2.0のセットアップをお願いした際、ディーラーのスタッフ(セールスとは別)に、「フェイスリフトが出るまでは乗り続けるので」というメッセージを伝えていましたので、正式発表前に連絡がありました。

Golf R Variantが設定されること、インフォテイメントシステム「Discover Pro」が大きくバージョンアップされるとともに、フォルクスワーゲン傘下のアウディ車に導入されていたデジタルメータークラスター「Active Info Display」が取り入れられること。エンジンが遂に280馬力のくびきを超えて310馬力までスープアップし、さらに7速DCTが導入されること。魅力的なフェイスリストです。

頼みもしないのに、ディーラーセールスから社内用の資料、そして料金表、見積書が送られてきました。カタログが届いて前記の内容を確認すると、週末にディーラーに足を運びました。

これまで、実車を見ないで、また試乗もしないで、車を買ったことはありませんでした。まだ正式発表前のこと、ショールームに新型ゴルフを並べるわけには行かず、セールスはパーキングロットにある新型ゴルフ(ただしTSIハイラインのVariant)をこっそり見せてくれました。もちろん、心の準備をしてディーラーに足を運んでいますが、即決しました。価格面も相当譲歩してくれたと思いますし、納車は6月になるとの条件も前向きになりました(車検が近くなれば、下取り価格が下がっていくので、より資金的に厳しくなります)。

結局、車両登録は5月中、納車は6月9日となりました。

次からのエントリーでは、第7世代のGolf Rと、第7.5世代のGolf R Variantの違いを書いていきたいと思います。

なぜGolf Rを選んだか

納車後2回目の週末、オドメーターは700キロを超えました。同じGolf Rからの乗り換えとは言え、内装のインターフェースが変わり、ようやく大体のことができるようになってきたところです。

さて、タイトルのとおり、なぜGolf R Variantの前に、なぜGolf Rを選んだか、ということから始めたいと思います。

前回のエントリで気づかれたかも知れませんが、乗り継いできたそのほとんどが四輪駆動車です。現在は東京住まいですし、1年3ヵ月ほど石川県に居を構えたことはありますが、車の本拠は関東圏、それも東京都(23区内)とその周辺である千葉県(東葛地域)・神奈川県(横浜市)に限られます。100kgもするドライブシャフトを抱える四輪駆動車が生活必需品、という場所ではありません。

決して損得勘定には合いませんが、筆者の趣味がウインタースポーツ(スキー)であることが車選びの基準となります。もちろん、それを乗りこなす技術が必要ですが、雪道はもちろん、降雨時やワインディングロードを駆け抜ける際、四輪で地面を掴む感覚というのは、一旦慣れてしまうとなかなか手放せません。訳あって一時期乗ったホンダ・インサイトエクスクルーシブでスキーに出かけたこともありますが、操舵輪と駆動輪を兼ねる前輪がグリップを失ってしまうといかようにもできなくなります。ひやっとした瞬間がなかったわけではありません。

四輪駆動車なら、SUVやクロカン系も選択肢になりえますが、会社の寮や社宅に住んでいた以外の時期は、機械式の立体駐車場。当然制限があります(スキー用キャリア・ジェットバックも装着出来ないので、スキーをトランクスルーでキャビンに放り込めるという条件が付加されます。)。そうするとセダン・ハッチバックステーションワゴン系に限られてくるわけです。レガシィを3台乗り継いだのも、そういう理由がありました。

ホンダ・インサイトから第7世代前半のGolf Rに乗り換えたのは、ホンダ・インサイトに物足りなさを感じたことです(この段階で、Golf R Variantはまだラインナップにはありませんでした。)。軽快でいい車だったのですが、何か「やりきった」感がありました。そこで、車探しを始めたのですが、上述の条件に合い、かつお財布とも相談すると、だいたい次の車に絞られます。

価格面では当然スバルが断然優位ですが、輸入車に乗ってみたいなぁという思いはありました。もうすぐアラフィフという時期、「しゅっとした」車に乗りたいという希望です。そうなるとアウディBMWが前面に出てくるのですが、BMWはご存じのとおり後輪駆動です。四輪駆動車もラインナップにありますが、メインストリームには置かれていません。フォルクスワーゲンは「国民車」というくらいですから、アウディフォルクスワーゲングループ傘下ですが)、BMWに比べるとお手頃感はあります。

決め手になったのは、お値頃感でした。Golf Rは基本的にオプションをつけるという発想のない「全部乗せ」であるフォルクスワーゲン・ゴルフの最上位車種です。ゴルフシリーズのアイコンである「GTI」であっても、ナビつきインフォテイメントシステム「Discover Pro」、アダプティブシャシーコントロール「DCC」がオプション扱いです(レザーシートも同様)。同じことはアウディBMWでもいえました。同じ装備で…と考えると、100万単位で価格差が出てきます。アウディBMWの「しゅっとした」感はフォルクスワーゲンにはありませんが、Golf Rの希少性は貴重です(専用色のラピスブルーメタリックは目立ちます)。

2014年8月、ディーラーセールスから、2014年9月納車予定の車が用意出来るとの話がもたらされました。Defeat Device問題の前ではありましたが、かなりの好条件を提示してきました。そして、2014年9月下旬に登録、10月になって、第7世代Golf Rが私の手元に届きました。

次のエントリでは、Golf RからGolf R Variantに乗り換えた理由を書きたいと思います。

2017年式Golf R Variant納車からもうすぐ10日。

6月9日にGolf Variant Rが納車されてからもうすぐ10日が経ちました。仕事は土日が休みのため、平日に乗ることは稀で、今日まで約500キロを走りました。

これまで、父の会社の払下げ営業車に始まり、その後は新車で、三菱ランサーGSR、スバルレガシィB4、レガシィツーリングワゴン2L、同3L、ホンダインサイトエクスクルーシブと乗り継ぎ、2014年9月に第7世代のGolf R、そして今回Golf R Variantに至りました。

既に専門家やジャーナリストによるレビュー記事が出ていますが、素人は素人なりに、インプレッションから細かいところへの注文も含め、書いていきたいと思います。